温熱療法をうける患者の頭部冷罨法に対する検討 : ダンクールキャップとアイスキャップの比較
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概要
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温熱療法が癌治療の集学的治療として定着してきたが,患者の温熱に対する苦痛の軽減の研究は少なく,1991年,著者らが冷却具の一つにダンクールキャップの優れていることを報告した。しかしこれにも課題があり,今回,軽量で装着の簡単なアイスキャップを使用して,両冷却具の使用による苦痛の軽減と爽快感を比較検討した。対象は平成4年5月から11月までの某病院で温熱療法をうけた10名の入院患者である。その結果,温熱療法を受ける癌患者には冷罨法の冷却開始時間・頭皮温度・年齢・頭髪量・感覚度等の個人差があるものの,冷却具の爽快感ではアイスキャップ装着において,全員が「かぶりここち」よいと,ダンクールキャップ装着においては「余り冷たくない」と答えたものもいた。また,今回の冷却部位以外の希望部位は前頸部があった。なお,冷却時間別温度変化において,アイスキャップは短時間の冷凍で長時間の冷却持続が可能であることが解った。これらを総合的に考えると,温熱療法を受ける患者には安楽性や合理的からも冷却持続時間・爽快感の効果ではアイスキャップの冷却具の方が有効性が高いと考えられる。
- 足利短期大学の論文
- 1994-12-15
著者
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