各種転圧条件がアスファルト混合物の空げき特性および力学特性に与える影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ノート本研究は,寒冷期施工や常温切削面上のアスファルト混合物のオーバーレイ工法などで,アスファルト混合物の転圧特性に影響を与える施工基盤の温度および材質,その表面の凹凸形状が当該混合物の空げき率および深さ方向の空げき分布に与える影響,またその違いが供用後のわだち掘れなどに与える影響について室内実験により検討したものである。実験の結果,これらの因子はアスファルト混合物の空げき率やその分布に著しい影響を与えることを明らかにした。すなわち,施工基盤の温度が寒冷期施工のように低い場合には,アスファルト混合物層の下部の空げき率が大きくなる。この傾向は施工基盤の材質の熱伝導が大きい場合にはより顕著となる。施工基盤の表面の凹凸形状が常温切削面のような粗面の場合では,アスファルト混合物層の全体の空げき率が大きくなる。また,このような空げき率の深さ方向の不均一は,アスファルト混合物の高温時における変形形態が圧密と塑性変形の2種類に分けられ,各々が主にアスファルト混合物層の上部および下部の空げき率に依存するため,当該混合物の供用後の路面の変形に影響を与えることなども明からにした。This paper describes the influence of temperature, of quality, and of uneveness of the base course for void ratios and vertical distributions of asphaltic mixture at rolling of asphaltic mixtures in cold season and under cold cutting pavement. This paper also describes the influence of the vertical distributions for rutting after service. The following conclusions were obtained: The void ratios of the lower parts of asphaltic mixtures were observed to increase with decreasing temperature of the base course in cold season. The observed phenomenon was particularly conspicuous for the base course of high thermal conductance. The void ratios of asphaltic mixtures increased when the surface of the base course became rough due to cold cutting. Rutting of asphaltic mixtures under high temperatures resulted in two forms, consolidation and plastic deformation. The former depends on the void ratio of the upper part of the asphaltic mixture and the latter depended on the void ratio of its lower part. Thus, it could be assumed that deformation of asphaltic pavement depended upon the vertical ununiformity of these void ratios.
- 石油学会の論文
- 1997-01-01
著者
-
森吉 昭博
北海道大学工学部
-
森吉 昭博
北海道大学大学院工学研究科土木工学専攻
-
徳光 克也
日本道路(株)技術研究所
-
笠原 彰彦
北海道大学工学部
-
天野 隆明
北海道大学工学部
-
森吉 昭博
北海道大学
関連論文
- カーボンブラック添加による舗装用アスファルトの補強効果
- アスファルトの光による劣化に及ぼす膜厚,波長ならびにカーボンブラック添加の影響
- 真空管理システムでのしゃ水シートの補修実験結果(その2)
- セメントペーストの自己収縮に関する実験的研究
- ウインドーウォッシャー液によるセメントコンクリート構造物の脱カルシウム化とアスファルトの溶出
- 動的荷重センサーを用いたアスファルト混合物の荷重分散特性の検討
- アスファルト舗装における低温き裂の要因について
- 転圧方法がアスファルト混合物の空げき率および圧裂強度に与える影響
- アスファルト舗装の熱応力と変形の粘弾性解析
- ぜい化点を利用したアスファルト舗装におけるアスファルトの選択法
- 各種転圧条件がアスファルト混合物の空げき特性および力学特性に与える影響
- アスファルトおよびアスファルト混合物のぜい化点
- 土木工事用機械が発生する変動型衝撃騒音の低減対策の評価に関する研究
- セメントコンクリートの新しい破壊
- 低温領域におけるアスファルトのぜい化点
- 寒冷期および通常期の施工時におけるアルファルト舗装の温度と空げき率
- 低温領域におけるグルセロールメタクリレート/スチレン系(GM/St系)ポリマーコンクリートの熱応力性状
- 低温領域におけるアスファルトおよびアスファルト混合物の破壊包絡線
- 種々のアスファルトの低温領域における破壊包絡線
- 各種の添加剤を混入したアスファルトおよびアスファルト混合物のレオロジー
- 道路遮音壁の音響放射系としての取扱い
- 低温領域におけるアスファルトの亀裂試験法
- アスファルト混合物のクリープ性状に関する基礎的研究
- 歴青系橋面舗装の透湿による水分蓄積とこれに随伴する界面活性剤の挙動
- 新しいホイールトラッキング試験法による多層系アスファルト混合物の骨材挙動解析
- 歴青系舗装の透水および透気性状とブリスタリング現象との関係
- 歴青系舗装の新しい透湿試験方法
- アスファルトの低温性状試験法の比較
- 載荷条件の異なるホイールトラッキング試験におけるアスファルト混合物の変形特性
- アスファルト舖装の長寿命化への提言
- 高温時のホイールトラッキング試験によりアスファルト混合物内部に発生するひび割れ
- ホイールトラッキング試験におけるアスファルト混合物内部の骨材の移動特性
- アスファルト混合物の引張の破壊性状とその応用
- 薄膜加熱試験によるアスファルトのエ-ジングの一評価法
- 空中浮遊粉塵中のアスファルト粒子の存在可能性に関する研究
- 除排雪事業における住民満足度と行政情報提供の効果に関する研究 (審査付き論文:PI・CS・NPO)
- 繊維添加材がアスファルトの性状に及ぼす影響
- 各種セメントへのフタル酸ジ(2-エチルヘキシル)添加に伴う室内環境汚染物質2-エチル-1-ヘキサノール発生に関する実験的研究
- 寒冷地舗装に発生する横断方向のクラック破壊〔英文〕
- 温度応力によるアスファルト舗装のクラック破壊
- 寒冷地舗装に発生する横断方向のひび割れ
- コンクリートの劣化に及ぼす界面活性剤の影響
- 鋼床版舗装のぜい性領域における引張破壊性状と縦亀裂の評価法に関する一考察
- 技術資料 アスファルト系断熱材の応力緩和特性について
- 寄稿 寒冷地におけるアスファルト舗装の発電用開水路の熱応力(施工後10年のアスファルト混合物の性状と外気温)(5)
- 寄稿 寒冷地におけるアスファルト舗装の発電用開水路の補修後の性状(4)
- 寄稿 長期間供用した道路および表面遮水壁のアスファルト舗装の性状(3)
- 寄稿 施工10年後の寒冷地におけるアスファルト舗装の発電用開水路--30年前の損傷と補修(2)
- 寄稿 寒冷地におけるアスファルト舗装の発電用開水路--40年前の設計と施工(1)
- 寄稿 水利用アスファルト舗装の材料から施工までの問題点(8・完)
- アスファルト舗装の横断亀裂現象を解明するための各種試験法(7)
- 寄稿 寒冷地におけるアスファルト舗装の横断亀裂(約30年前の研究の状況)(6)
- アスファルトおよびアスファルト舗装の新しい品質管理手法と舗装の長寿命化
- アスファルト混合物の破壊強度に関する研究
- 低温領域におけるアスファルトおよびアスファルト混合物の破壊包絡線
- 種々のアスファルトの低温領域における破壊包絡線
- 各種の添加剤を混合したアスファルトおよびアスファルト混合物のレオロジ-
- 高温時のホイールトラッキング試験によりアスファルト混合物内部に発生するひび割れ
- ホイールトラッキング試験におけるアスファルト混合物内部の骨材の移動特性