種々のアスファルトの低温領域における破壊包絡線
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概要
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ノート本研究は,種々のアスファルトについてアスファルト混合物に見られる破壊包絡線の概念が低温領域でも適用可能かどうかについて検討した。フラースぜい化点試験および曲げ試験を種々のアスファルトについて低温領域で実施した結果,この包絡線はアスファルトでも存在し,三つのタイプ,すなわち一つは破壊時のひずみに関係なく曲げ強度が一定の場合,二つは曲げ強度が破壊時のひずみに比例する場合,三つは曲げ強度が急激に破壊時のひずみが小さい領域で低下するタイプに分類される。この形状やその位置はアスファルトの原油の性状に依存し,針入度級には依存しない。また,同一針入度級のアスファルトでもフラースぜい化点の温度,その温度における曲げ強度,破壊時のひずみ,および破壊時の弾性係数が著しく異なること,さらに種々の添加剤を混入したアスファルトについては低温性状の向上につながるかどうかについてもこの破壊包絡線の形状やその位置から評価が可能である。This paper describes whether the concept of failure envelope for asphaltic mixtures can be applied to various asphalts at low temperatures. We conducted the Fraass Breaking Point and flexural test for various asphalts at low temperatures. As a result, we concluded that; 1) The concept of failure envelope can be applied to various asphalts at low temperatures at which, however, the shape and position of failure envelope of the asphalts are different for individual asphalts. 2) The shape of envelope may be classified into 3 types. First is the type in which the flexural strength is constant and does not depend upon the fracture strain. Second is the type in which the flexural strength is proportional to the fracture strain. Third is the type in which the flexural strength decreases rapidly in the small fracture strain zone. 3) The temperature zone for Fraass Breaking Point is -12 - -27℃, and the fracture strain in this zone is 8,000×10^[-6] - 15,000×10^[-6] for the same penetration grade of asphalts. Flexural strength of the asphalts in this temperature zone are not constant. 4) The shape and position of failure envelope for the asphalts containing various additives are also different for different asphalts. Therefore, it is not difficult to estimate the effects of additive agents by using the shape and position of failure envelope.
- 石油学会の論文
- 1994-07-01
著者
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