カムチャツカ半島ウシュコフスキー氷冠における雪氷コア堀削
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概要
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カムチャツカ半島ウシュコフスキー氷冠において雪氷コア掘削ならびに現場解析を実施した.標高3,901m,氷厚240mを有するK2地点に総計2.4トンの物資をヘリコプタ一輪送し,1998年6月20日から30日にかけて雪氷コアを掘削した.給掘削回数307回,総掘削時間103時間で全長211.7mの雪氷コアを採取した.掘削終了後,20m毎に掘削孔壁の温度を測定した.深度10mは-15.7℃,底部211.7mは-4.2℃であり,表面からほぼ直線的に漸増する温度垂直分布が得られた.掘削と並行して,層序観察,バルク密度測定,ECM(固体電気伝導度)測定,デジタルビデオによるコアの撮影を行った.現場解析ができた表面から深度141mまでのコアによれば,55m付近の氷化深度以浅では,コアは融解・再凍結氷と融解を経験していないフィルンからなり,氷化深度以探では融解・再凍結氷と圧密氷との互層から構成されていた.深度141mまでのコア中には目視できる火山灰だけでも183層が確認され,そのうち2層が火山灰の特徴から噴出年代が特定された.ECMとビデオ撮影したコアのモザイク画像とを比較した結果,ECMシグナルは火山灰層で低下,融解・再凍結氷層で上昇する傾向が見られた.一方,高所における掘削オペレーションであったため,人月の健康面での各種データを採取し,高所順応の個人差を考察した.
- 日本雪氷学会の論文
- 1999-01-15
著者
-
亀田 貴雄
北見工業大学社会環境工学科雪氷研究室
-
西尾 文彦
北海道教育大学
-
白岩 孝行
地球研
-
白岩 孝行
北海道大学低温科学研究所
-
MURAVYEV Yaroslav
Institute of Volcanology, Russian Academy of Sciences Piip Boulevard 9
-
高橋 昭好
(株)地球工学研究所
-
亀田 貴雄
北見工業大学
-
Kameda T
Kitami Inst. Technol. Hokkaido Jpn
-
戸山 陽子
千葉大学環境リモートセンシング研究センター
-
戸山 陽子
北海道教育大学釧路校
-
Muravyev Yaroslav
Institute Of Volcanology And Seismology Russian Academy Of Sciences
-
Muravyev Yaroslav
Inst.volcanology Ras
-
OVSYANNIKOV Alexander
Institute of Volcanology, Russian Academy of Sciences
-
西尾 文彦
Hokkaido University Of Education Kushiro Branch
-
Ovsyannikov Alexander
Institute Of Volcanology Russian Academy Of Sciences
-
Kameda Takao
Institute Of Low Temperature Science Hokkaido University
-
戸山 陽子
千葉大
-
Kameda T
Department Of Civil Engineering Kitami Institute Of Technology
-
西尾 文彦[他]
北海道教育大学釧路校
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