幼児におけるネガティブ情動の表出制御と仲間関係
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概要
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年長幼児を対象に,期待に反するおもちゃを渡された時の表情表出と仲間関係の関係を検討した。仲間から一緒に遊びたいと選ばれる頻度の多い幼児と,それが少ない幼児を比較すると,仲間からの選択の少ない幼児は選択の多い幼児に比べ,おもちゃを手渡した実験者が在席する場面で,情動の表出,特にネガティブ情動の表出が有意に早く,また表出の頻度が多く,表出時間が長い傾向がみられた。おもちゃを手渡した実験者が不在になると,仲間からの選択の少ない幼児は選択の多い幼児に比べ,ポジティブな情動表出を殆ど行わなかった。この結果はネガティブ情動の社会的制御が,仲間関係を作り,その関係を維持する上で重要であることを示している。This study examined the relation between the emotional facial display when receiving an unexpected unattractivetoy, and the peer relations assessed by sociometric peer nominations among5years-old kindergarten children(N=30). In the experimenter-present situation, children who had poor peer relations(receiving below averagepeer nominations)displayed a negative emotional facial expression faster, more frequently, and for a longer durationthan did children who had richer peer relations (receiving above average peer nominations). In theexperimenter-absent situation, children who had poor peer relations did not display positive emotional facial expressions.These results show that emotional regulation is an important factor in the formation and managementof peer relations of young children.
著者
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