時刻指定ベトリネットを用いた情報セキュリティ・モデル

概要

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データベース等、情報処理システムで扱う情報へのアクセスを表現するセキュリティ・モデルは色々とあるが、その中にアクセス行列を使う方法がある。しかし、アクセス行列ではREADを禁止された情報がリークしたり、WRITEを禁止された情報が改ざんされる場合がある。これらの情報フローをcovert channelと呼ぶが、安全なシステムのためにはcovert channelを検証してからアクセス許可設定する必要がある。従来、アクセス行列のcovert channel検証法が提案されているが、その中でアクセス権の変更を扱ったものは文献を除いてはあまり見られない。また、文献では検証に要す計算量が大きくなるという問題があった。本稿ではアクセス権の変更を表現可能で、かつ、covert channel検証の計算量が少ないセキュリティモデルの構築を試みる。モデルは発火時刻指定、上限指定マーキング、階層的な構造を定義した時刻指定ペトリネット(TPN)を導入し、これをベースとする。
電子情報通信学会の論文
1994-09-26