ダイズ11Sグロブリンのゲル化に及ぼす還元的アルキル化の効果
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概要
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(1) MeansとFeeneyの方法でダイズ11 Sグロブリンの還元的アルキル化を行い,その性質を調べた. i) 還元的アルキル化の程度はTNBS法により調べた. ii) 超遠心分析によって本修飾により11 S成分の減少と, 2〜3 S成分および7 S成分の増加がみられることを明らかにした. iii)ディスク電気泳動分析によって本修飾によりプラスチャージが減少することを認めた.等電点電気泳動図形には大きな変化はなかった. iv) 滴定曲線を測定し,本修飾によりリジンのPKが0.5 pH低下することを明らかにした. (2) 還元的アルキル化のゲル化に及ぼす影響をみると, pH 7, 2% NaClではゲル化臨界濃度を上昇させた.またアルキル化グロブリンは未修飾ダイズ11 Sグロブリンがゲル化しなかったpH 10, 5% NaCIでゲル化した.このことは本修飾により11Sグロブリソの親水性が減少したためであると考えられる. (3) ダイズ11 Sグロブリンと還元的アルキル化グロブリンのゲルの性状を走査型電子顕微鏡で観察し,その構造の粗密さの相違を肉眼的観察の結果と比較した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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