脱カルシウム剤によるゼインミセルの組成変化について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
分画遠心分離法を用いて,カゼインミセルをサイズにより分画し,脱カルシウム剤添加によるミセルの組成変化を調べた. (1) 脱カルシウム剤添加によりカゼインミセルは不定形となり,小粒子が増加した. (2) 脱カルシウム剤添加・未添加にかかわらず,ミセルサイズが大きいほどカルシウム含量は高く,径が60mμ以下になると,一定の値20〜23 mg/g caseinとなった. (3) 無機りんの含量は,脱カルシウム剤添加・未添加にかかわらずサイズが大きいほどわずかに多く,有機りんはサイズにかかわらず一定であった. (4) 脱カルシウム剤添加によって生じた小粒子は,大粒子とほとんど同じカゼイン組成をもっているにもかかわらず,安定に分散していた. (5) 脱カルシウム剤の添加により,β-カゼインの脱離が起った. (6) ミセルの大きさを保持する因子として,カゼイン組成よりも無機塩含量が主要なかかわりあいをもつと考えられる.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
関連論文
- シジミの凍結処理によるオルニチン含量の変化
- 13 窒素およびリン酸の葉面散布がダイズの収量と子実品質に与える影響 : 散布濃度・回数および品種による違いについて(栽培)
- モミジガサ(Cacalia delphiniifolia sieb.et Zucc.)のかおり成分(その2)(食品-化学(香気)-)
- 品種の異なるダイズから調製した豆乳の性質
- 飼料中のカロチンの供給と牛の健康度との関係 : II 仔牛の寒冷抵抗に対するカロチン供給の影響
- 寒冷下における動物体のビタミンAに関する研究 : (I)寒冷下におけるシロネズミの発育とビタミンAについて
- 飼料中のカロチンの供給と牛の健康度との関係 : Iカロチンの欠乏が牛の血清,肝臓その他のカロチン,ビタミンA,B1,B2,及びCに及ぼす影響
- 豆乳タンパク質コロイドの加熱による変化(食品-化学(蛋白質・動物)-)
- ダイズ製品中の脂質の安定性 豆腐や凍豆腐中の油は煮ても焼いてもなぜ出てこないのか?
- カゼインミセルの粒子径による分画法
- 脱カルシウム剤によるゼインミセルの組成変化について
- 乳中コロイド相塩類の希釈による溶解相への移行について
- ウド (Aralia cordata Thunb.) のかおり成分
- リンゴジャムの香気成分について
- 各種ジャムに共通する甘味香気成分
- 魚類内臟酵素の利用に関する研究(1)-各種魚類内臟の酵素力に就て-
- 納豆菌によるピラジン類生成の培地組成について
- 異なる調製法によるみそ香気成分の比較
- 枝豆香気成分の成熟に伴う変化