ホルモースの合成と利用(第1報) : ホルムアルデヒドから糖類の生成

概要

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水溶液中, 60°Cで塩基類存在下(0.2M濃度),ホルムァルデヒド(1.86M濃度)をアルドール縮合させて糖類(ホルモース)を合成する反応において,以下のことを確かめた. (1) 無機塩基としてCa(OH)2, Ba(OH)2, Sr(OH)2, Mg(OH)2, Pb(OH)2, KOH, NaOH, TlOHなどに糖合成能のあることを確かめ,これらのうちアルカリ土類金属水酸化物がすぐれ,中でもCa(OH)2が最良であった. (2) ピリジン,コリジン,α,β,γピコリン, N-メチルピペリジン, N-メチルモルホリン, 2-ジメチルアミノエタノールなどの有機塩基にも糖合成能が認められるが,無機塩基に比べ,糖収率は劣る. (3) ホルモースは,各種単糖類の混合物で,ケトヘキソース,アルドヘキソースを主体とし,このほかケトペントース,アルドペントースを含み,トリオース,テトロース,ケトヘプトースなどの存在も推定された. (4) ホルモースの糖組成は,合成反応に使用した塩基の種類に関係なく,いずれも類似している. (5) 縮合反応の進行に伴い,ホルムアルデヒドが激減し,糖類が急激に生成する瞬間,黄化点(Yellowing point)が存在し,その直後に糖生成のピークが到来し,以後糖含量は漸減する.
社団法人日本農芸化学会の論文