固定化<I>Rhizomucor miehei</I>リパーゼによる選択的アルコリシス反応を利用したドコサヘキサエン酸エチルの精製
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概要
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ドコサヘキサエン酸エチル (E-DHA) の大量精製方法の確立を目的とし, 固定化<I>Rhizomucor miehei</I>リパーゼでマグロ油由来のエチルエステル (E-DHA 55; E-DHA含量, 55mol%) をラウリルアルコール (LauOH) でアルコリシスした。固定化リパーゼを充填したカラム (8.0g; 22×63mm) にE-DHA/LauOH (1 : 7, mol/mol) の混液を30℃, 10mL/hの流速で負荷した。その結果, エステル交換率は58%に達し, エチルエステル画分のE-DHA含量は87mol%まで上昇した。この固定化酵素リアクターを150日間連続運転すると, エステル交換率は48%まで低下したものの, E-DHA含量はほとんど低下せず85mol%まで上昇していた。カラムから溶出した反応液中のエチルエステルは薄膜蒸留により収率よく回収できたが (82%), この画分には2.4wt%のLauOHと6.3wt%のラウリルエステルが混在していた。このうち, ラウリルエステルは尿素包括により完全除去することができた。一連の精製操作により, E-DHA55に含まれていたE-DHAの52%が回収でき, E-DHA含量を88wt%まで高めることができた。
著者
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島田 裕司
大阪市立工業研究所
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富永 嘉男
大阪市立工業研究所
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杉原 耿雄
大阪市立工業研究所
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馬場 貴司
マルハ (株) 中央研究所
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丸山 一輝
マルハ (株) 中央研究所
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大栗 智昭
マルハ (株) 中央研究所
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森山 茂
マルハ (株) 中央研究所
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