高エンドトキシン血症対策が有効であったアルコール性肝硬変に合併したspur cell anemiaの1生存例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は53歳男性.30年来の大酒家で,近医にてアルコール性肝硬変と診断され加療を続けていたが,黄疸が増強し腹水,浮腫も出現したため当科入院となった.持続する黄疸と溶血性貧血を呈し,末梢血塗抹標本で赤血球の約30%に有棘赤血球を認め,赤血球膜脂質分析では,遊離コレステロール/リン脂質比の増加がみられたため,本症例はアルコール性肝硬変に合併したspur cell anemiaと診断した.経過中,皮下出血斑の出現とともに高エンドトキシン血症を呈し,disseminated intravascular coagulopathy (DIC)の合併が危惧されたため,ポリミキシンBおよびカナマイシンの投与を開始したところ,エンドトキシンの低下とともに出血傾向は消失した.spur cell anemiaは溶血をtriggerとしてDICを高率に合併し予後不良とされ,その治療は未だ確立されていない.本症例は高エンドトキシン血症対策がDIC合併の予防に有用であった1例と考えられた.
著者
-
法橋 建
東京慈恵会医科大学総合診療部
-
戸田 剛太郎
東京慈恵会医科大学dna医学研究所 悪性腫瘍治療研
-
佐藤 俊哉
東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科
-
山内 眞義
東京慈恵会医科大学内科学講座消化器・肝臓内科(第三病院)
-
安澤 龍宏
東京慈恵会医科大学内科学講座第4
-
佐藤 俊哉
東京慈恵会医科大学第1内科
-
日野 いずみ
東京慈恵会医科大学第1内科
-
戸田 剛太郎
東京慈恵会医科大学
-
安澤 龍宏
東京慈恵会医科大学第1内科
関連論文
- 抗カルモデュリン抗体 (広範囲 血液・尿化学検査 免疫学的検査(第7版・3)その数値をどう読むか) -- (免疫学的検査 自己抗体)
- Genotype 1b・高ウイルス量のC型慢性肝炎に対する response-guided therapy の検討
- 本邦における Genotype1b・C 型慢性肝炎に対する Peginterferon α-2a+Ribavirin 併用療法と Peginterferon α-2b+Ribavirin 併用療法の早期ウイルス学的反応の検討
- 東京慈恵会医科大学4附属病院における医師評価システムの進展 : 二回目の評価を実施した経過報告と分析
- 東京慈恵会医科大学4附属病院における医師評価システム
- 1.慢性C型肝炎に対する末梢血単核球吸着の効果と宿主サイトカイン環境変化の検討(シンポジウム)(日本アフェレシス学会第12回関東甲信越地方会抄録)
- C型慢性肝炎のインターフェロン治療に伴い改善した晩発性皮膚ポルフィリン症の1例
- 寒冷曝露により急激な乏尿, 全身浮腫を来したクリオグロブリン血症合併のC型肝硬変の1例
- ピルの常用により少量の飲酒で肝硬変へ進展した女性のアルコール依存症の一例
- 東京慈恵会医科大学附属病院における過去20年間の重症型アルコール性肝炎例の臨床疫学的検討
- アルコール性肝硬変の性差に関する臨床疫学的検討
- CPKが極めて高値を示し, 横紋筋融解症から急性腎不全に至ったアルコール依存症患者の2例
- アルコール性肝硬変における性差に関する臨床疫学的検討
- アルコール性肝障害における血清ライソゾーム糖蛋白糖鎖異化酵素活性の臨床的意義
- 右内胸動脈から栄養された肝細胞癌に経カテーテル治療を施工し得た 2 症例
- 初診後13年の経過を経て肝硬変に進展した一副腎皮質ステロイド治療未施行の自己免疫性肝炎の1例
- 自己免疫性肝炎に対する治療とAIHスコアーの検討
- 細小肝細胞癌に対する抗癌剤混和リピオドール併用肝動脈塞栓療法の治療成績
- 肝細胞癌に対するchemolipiodolization後に上腹部皮下組織が壊死に陥った1例
- 門脈瘤を介した無症候性肝内門脈肝静脈短絡の1例
- 粘膜内腺癌の内視鏡的粘膜切除術後に伸展がみられたBarrett粘膜に対し焼灼治療を施行した1例
- 特異な形態を呈し出血をきたした大腸アミロイドーシスの1例
- 上部消化管限局性と考えられたAA型アミロイドーシスの2例
- 原発性胆汁性肝硬変症における血中酸化ストレス関連マーカーの動態およびGST遺伝子型と病態の関連
- HCV陽性慢性肝疾患における免疫細胞内のレドックス動態と疾患活動性の関連
- 著明な好中球減少に対しG-CSFを併用したIFN療法を行ない著効を得たC型慢性肝炎の1例
- ウイルス性慢性肝炎におけるC1qおよびC3d結合血中免疫複合体の検討
- AFPおよびCEA産生性胆嚢癌の1例
- 遺伝性球状赤血球症を合併した膵神経鞘腫の1例
- ラミブジン長期投与のB型慢性肝炎症例における高感度定量法を用いたHBV DNAの推移
- 難治性の下痢を呈し内視鏡検査が診断の契機となった十二指腸ガストリノーマによる Zollinger-Ellison 症候群の1例
- 腸壁の著明な石灰化を認めた大腸アミロイドーシスの1例
- DIC-CTが診断に有用であったCaroli病の1例
- 保存的治療が奏効したgroove pancreatitis pure typeの1例
- アルコール性肝硬変における肝癌合併におよぼす肝・脾容積の意義
- 肝臓内科医として
- 大腸癌の免疫療法
- B型肝炎ウイルス産生のメカニズム : クリオ電子顕微鏡 (cryo-electron microscopy) により解明されたコア粒子の立体構造と Large S 蛋白の役割
- 膵・胆管合流異常を伴う急性膵炎に合併した膵仮性?胞内出血の1例
- 肝嚢胞として経過観察中に嚢胞内出血をきたした右副腎嚢胞の1例
- 肝細胞癌におけるP糖タンパク発現とp53の関与-免疫組織化学的検討-
- 消化性潰瘍患者の背景胃粘膜に存在する Helicobacter Pylori と胃粘膜微絨毛障害とについて : 走査電子顕微鏡ならびに Cag A 遺伝子による検討
- 肝障害に対するグリシンの有効性に関する検討 : In Vivo と細胞培養からの検討
- アルコール性肝障害の進展における植物性脂肪の意義-ロイコトリエンの関与
- 女性ホルモン製剤を乱用した性転換願望の若年男性に認めたアルコール性肝硬変の1例
- アルコール医療における内科・精神科医の連携
- ASSOCIATION BETWEEN HLA HAPLOTYPE AND ANTI-HBs ANTIBODY RESPONSE TO HEPATITIS B VACCINES
- 天然型インターフェロンα投与により自己免疫性肝炎を発症し治癒したC型慢性肝炎の1例
- アルコール性肝硬変における肝臓と牌臓の容積の意義と臨床的背景に関する研究
- 肝炎ウイルス感染におけるLiver autoreaction
- 傍脊柱筋に著明な萎縮をみとめ原発性胆汁性肝硬変を合併した多発筋炎
- S遺伝子変異株が検出された急性増悪後にHBs抗原が持続陰性化したpre-C変異型B型慢性肝炎の1例
- 臨床 自己免疫性肝炎の病因解明 (特集 消化器疾患と免疫--基礎と臨床)
- バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術 (B-RTO) による胃腎シャント閉塞が奏効した非肝硬変性反復性シャント型肝性脳症の1例
- 腸腰筋膿瘍を合併したC型肝硬変の1例
- 肝細胞癌術後局所再発様の進展を示し : 異時性混合型肝癌が疑われた1例
- 自己免疫機序が関与したと思われた蛋白漏出性腸症の1例
- モノクローナル抗体SF-25を用いた胃腫瘍性病変に対する免疫組織化学的検討
- バリウム粒子を用いた胃排出機能検査法の開発:その基礎的検討と薬剤の胃排出機能に及ぼす影響
- niche を求めて : Na, K-ATPase から癌特異免疫療法へ
- Dubin-Johnson 症候群に合併した胆嚢癌の1例
- 自己免疫性肝炎における肝内浸潤T細胞クローナリティーの解析とその臨床的意義
- 慢性肝疾患における血清糖蛋白糖鎖のフコシル化の意義
- I.自己免疫性肝炎1.発生の疫学
- 自己免疫性肝炎から癌免疫療法へ
- アレルギー性薬物肝障害 (特集 薬物アレルギーの防止と早期発見に向けて) -- (主な薬物アレルギーの診断と治療の現状)
- 上咽頭に転移した肝細胞癌の1例
- 巨大脾腎静脈短絡路を伴う肝細胞癌合併肝硬変症の画像と臨床的特徴
- 自己免疫性肝炎から癌免疫療法へ
- 急性アルコール投与ラットの肝再生におけるImmunoreactive Ornithine Decarboxylaseの変動と性差について
- アルコール性肝障害に及ぼす性差の影響
- 高エンドトキシン血症対策が有効であったアルコール性肝硬変に合併したspur cell anemiaの1生存例
- 短期間で形態の変化がみられた食道pyogenic granulomaの1例
- 清水市興津・小島地域に流行した非A非B型 : 肝炎の臨床的検討
- ステロイド投与により寛解状態が得られた後に特徴的な爪甲異常を呈したCronkhite-Canada症候群の1例
- アルギノコハク酸合成酵素の活性低下を認めた成人型高シトルリン血症の一剖検例
- 消化器疾患-最近の治療- 司会者のことば
- 輸血後B型肝炎後にHBVキャリアー状態となったvon Recklinghausen病の1例
- 女性の重症型アルコール性肝炎の2剖検例
- C型肝炎ウイルス感染と宿主および環境因子
- 高CEA血症を呈した回腸癌の1例
- Nuclear magnetic resonance-computerized tomography(NMR-CT)が診断に有用であつた慢性膿胸による続発性Budd-Chiari症候群の1例
- 消化器疾患-最近の治療- 4.自己免疫性肝疾患-診断と治療-
- II. 治療の進歩 3. 重篤難治感染症の治療と進歩 2)ウイルス肺炎
- 5. 自己抗体陽性C 型慢性肝炎に対するインターフェロン療法
- 長期にわたる発熱を特徴としたサイトメガロウイルス(CMV)肝炎の成人発症の2例
- 覚醒剤乱用者にみられた非A非B型急性肝炎の集団発生例
- 自己免疫性肝炎とその周辺
- 自己免疫性肝炎
- 2.肝臓癌の診断と治療
- プライマリ・ケアと卒前教育
- HCV感染におけるextrahepatic manifestation - クリオグロブリン血症を中心に -
- I.消化器 3.胆石症の診断と治療
- Three cases of Budd-Chiari syndrome diagnosed by nuclear magnetic resonance-computed tomography.
- Clinical significance of serum Type IV collagen (7S domain) in the patients with various liver diseases.
- A case of chronic hepatitis showing seroconversion of HBe antigen and disappearance of anti-HCV by interferon therapy.
- Significance of in-urine L-Fucose density as a liver function test.
- Reduced immunogenicity of hepatitis B vaccine in the patients with chronic non-A, non-B hepatitis.
- A case report of HBV carrier after superimposed acute hepatitis type B upon preexisted chronic non-A, non-B hepatitis.
- Comparison of nutritional background of the patients with alcoholic liver diseases between U.S.A. and Japan.