HCV陽性慢性肝疾患における免疫細胞内のレドックス動態と疾患活動性の関連
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概要
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C型肝炎ウイルス (HCV) 陽性慢性肝疾患98例 [無症候性キャリアー (C-ASC) 25例, 慢性肝炎 (C-CH) 63例, 肝硬変 (C-LC) 10例], 健常人29例を対象に末梢血CD3陽性T細胞, CD14陽性マクロファージ内GSH, GSSG濃度を測定し, 免疫細胞内レドックス動態と病態の関連を解析した. T細胞内GSH濃度 (T-GSH : μg/ml/5×106 cells) は健常群に比べC-CH群, C-LC群で有意に低値を示したが (p<0.01), 健常群とC-ASC群間では有意差を認めなかった. またC-ASC群に比べC-CH群, C-LC群では有意に低値だった (p<0.01, p<0.05). マクロファージ内GSH濃度 (CD14-GSH : μg/ml/5×106 cells) はC-LC群では健常群に比し有意に低値を示し (p<0.05), C-ASC群に比べC-CH群, C-LC群では有意に低値だった (p<0.05, p<0.01). C-CH群の免疫細胞内GSSG, GSH濃度と各種臨床検査値間 (血小板数, ALT, 血清鉄, フェリチン, 4型コラーゲン, ヒアルロン酸)には相関を認めなかった. 以上よりHCV陽性慢性肝疾患における病期の進行や病態形成に免疫細胞内レドックス動態が関与している可能性が示された. また免疫細胞内のGSH, GSSG濃度と鉄関連マーカーの相関は認めず, 免疫細胞内のレドックス動態は鉄以外の因子により規定されると考えられた.
- 日本臨床免疫学会の論文
- 2004-10-31
著者
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戸田 剛太郎
東京大学第一内科
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銭谷 幹男
東京慈恵会医科大学内科学第一
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戸田 剛太郎
東京慈恵会医科大学附属病院 医師人事委員会
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高橋 宏樹
東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科
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小野田 泰
東京慈恵会医科大学第三病院消化器・肝臓内科
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長田 正久
東京慈恵会医科大学内科学講座消化器・肝臓内科
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戸田 剛太郎
新松戸中央総合病院消化器・肝臓科
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戸田 剛太郎
東京慈恵会医科大学dna医学研究所 悪性腫瘍治療研
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銭谷 幹男
慈恵医大第一内科
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銭谷 幹男
東京慈恵会医科大学 内科学講座消化器・肝臓内科
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銭谷 幹男
東京慈恵会医科大学 第1内科
-
小野田 泰
東京慈恵会医科大学 消化器・肝臓内科
-
斉藤 晃
東京慈恵会医科大学内科学講座消化器・肝臓内科
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戸田 剛太郎
せんぽ東京高輪病院
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戸田 剛太郎
東京慈恵会医科大学内科学講座消化器・肝臓内科
-
銭谷 幹男
東京慈恵会医科大学 皮膚学講座
-
銭谷 幹男
東京慈恵会医科大学dna医学研究所 悪性腸瘍治療 研究部門
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高橋 宏樹
東京慈恵会医科大学消化器肝臓内科
-
戸田 剛太郎
東京慈恵会医科大学附属柏病院 消化器肝臓内科
-
高橋 宏樹
東京慈恵会医科大学内科学講座消化器・肝臓内科
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戸田 剛太郎
東京慈恵会医科大学内科学第一
-
銭谷 幹男
東京慈恵会医科大学 内科学講座
-
高橋 宏樹
東京慈恵会医大
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銭谷 幹男
東京慈恵会医大第1内科
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戸田 剛太郎
東京慈恵会医科大学
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