食事確立療法に併用した超低エネルギー液性食反復投与の減量効果
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概要
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グラフ化体重日記等による食事確立療法に, 超低エネルギー液性食を併用し, 減量効果を検討した。対象は外来で食事確立療法施行中の中等度肥満患者13名 (すべて女性。BMI=30.1±1.3) で, 減量効果が緩徐化, ないしは停滞した者とした。超低エネルギー液性食 (オプティファースト-70®) 5包/日 (420kcal) を連続2日間毎週投与し, 4週間継続した。1日当り無カロリーの水分1, 500ml以上を摂取させた。グラフ化体重日記記載は期間中を通して継続させた。治療前後, および治療終了後, 1, 3カ月の体重を比較検討した。13名の対象中, 12名を投与終了3カ月後まで追跡した。併用療法が完了した4週目の減量幅は4.0±0.4kgであり, 有意な体重減少が得られた (p<0.01)。Body mass index (BMI) は30.4±1.4から28.7±1.5に改善した (p<0.01)。投与終了3カ月後の減量幅は4.8±1.0kg, BMIは28.6±1.5で, 減量値は維持されていた。投与終了12カ月後まで追跡できた7名でも, 減量幅は4.7±1.8 (p<0.05) であった。投与2日目に空腹感を訴えた以外は, 自, 他覚的に異常を認めなかった。食事確立療法を基盤に, 導入時期や治療効果の強度を考慮して投与すれば, 外来でも超低エネルギー液性食週2日反復投与で十分な減量効果が得られ, しかも減量維持も可能なことが判明した。
- 社団法人 日本栄養・食糧学会の論文
著者
-
大隈 和喜
湯布院厚生年金病院内科
-
坂田 利家
九州大学医学部第1内科
-
大隈 和喜
九州大学医学部第一内科
-
藤本 一眞
九州大学医学部第一内科
-
深川 光司
九州大学医学部第一内科
-
衛藤 宏
九州大学医学部第一内科
-
黒川 衛
九州大学医学部第一内科
-
待鳥 浩信
九州大学医学部第一内科学教室
-
坂田 利家
九州大学医学部第一内科学教室
-
深川 光司
九州大学医学部第一内科学教室
-
藤本 一眞
九州大学医学部第一内科学教室
-
黒川 衛
九州大学医学部第一内科学教室
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