Mazindol第III脳室内投与後の食事パターンおよび体内化学物質の変動について
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概要
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mazindol(MZD)の摂食抑制作用を調べるため,体重・摂食量および食事(meal)パターンに及ぼす影響,それに摂食に連動する体内化学物質の変動などを検討した,実験ではすべて0.03μmole MZDをラット第皿脳室内へ注入した.実験は明暗12時間周期(明期0800〜2000時)の条件下でおこなった.12時間絶食後に,MZDを投与すると,摂食量は投与直後の暗期12時間で減少したが,体重減少は投与後3日間にわたって認められた.自由摂食条件下で食事パターンに及ぼす影響を調べると,その特徴は1回食事量(mealsize,MS)の減少と共に食事後食事間間隔(postprandial intermeal interval,IMI)の延長にあった.この点amphetamineやfenfluramineなどの摂食抑制作用とは,その作用様式を異にした,また,MZD投与後に飽満度(satiety ratio=IMI/MS)は上昇し,飽満状態が誘発されることがわかった.その際,MSの減少は投与直後より4時間持続したが,IMIの延長はMSの減少より遅れて出現し,投与後2時間目より4時間にわたって認められた.血中グルコース,インスリンおよび遊離脂肪酸に対しては,1130時にMZDを投与すると,インスリンの上昇を伴わない相対的高血糖と低脂血症を誘発した.以上の結果から,MZDの摂食抑制効果は食欲中枢に直接作用して発現し,しかもamphetamineやfenfluramineとは異なると考えられた.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
-
藤本 一真
九州大学第一内科
-
坂田 利家
九州大学医学部第1内科
-
筒井 浩一郎
九州大学医学部第1内科
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福嶋 正孝
九州大学医学部第1内科
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荒瀬 高一
九州大学医学部第1内科
-
藤木 一眞
九州大学医学部第一内科教室
-
荒瀬 高一
九州大学医学部第一内科教室
-
筒井 浩一郎
九州大学医学部第一内科教室
-
福嶋 正孝
九州大学医学部第一内科教室
-
筒井 浩一郎
九州大学医学部内科学第一講座
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