いわゆる進行性壊疽性鼻炎の治療経験 : 制癌剤動注及び放射線療法を中心として
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概要
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いわゆる進行性壊疽性鼻炎は近年の医学の進歩にもかかわらず,尚その本態は不明であり,死亡率も80〜90%におよぶとされている.当教室においては昭和29年6月より,昭和45年6月迄の過去16年間にいわゆる進行性壊疽性鼻炎16例の治療をおこなつた.このうち昭和39年以降の症例に対しては,制癌剤動注,又はCo60,Linacによる照射,更にこれらの併用療法をおこない若干の知見を得た.遠隔成績は3年生存率3/13,23%,5年生存率2/1315%であつた.病型別にみるとWaitonの分類におけるClassial malignant granulomaでは3年生存率3/10 30%,5年生存率2/10 20%であるのに対し,Wegenersgranulomatosis では3年,5年生存率共に0/3 0%と成績が悪い.長期生存例は2例あり,1例は17年,他の1例は8年2ヵ月生存している.治療適応についてはWaltonの分類におけるClassical malignantgranuloma.細網肉腫に対しては制癌剤動注と放射線療法との併用をfirstchoiceと考えている.Wegenersgranulomatosisはやはりステロイド療法をfirstchoiceとし,その他,自家ワクチン療法,抗生剤投与抗プラスミン剤投与をおこなう.病型のはつきりしない症例では網癌剤動注と放射線との併用療法をfirst choiceとしておこない動注10回,又は放射線2000R照射の時,点で効果を判定し,効果がみとめられれば,そのまま治療を継続し,無効の場合はステロイド投与等他の治療法にきりかえる.
著者
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犬山 征夫
慶応義塾大学 耳鼻咽喉科
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野村 公寿
慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科教室
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藤井 一省
慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室
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松川 純一
慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室
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野村 公寿
慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室
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三宅 浩郷
慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科教室
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三宅 浩郷
慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科
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鈴木 安恒
慶応義塾大学医学部教授
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松川 純一
慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科教室
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永倉 健次
慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科教室
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藤井 一省
慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科教室
-
永倉 健次
慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室
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犬山 征夫
慶応義塾大学
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