ラット血液凝固線溶能に及ぼす四塩化炭素の影響
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概要
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CCl<SUB>4</SUB>肝障害の作用機序,形態学的変化及び生化学的変化に関する報告は多いが,血液凝固線溶能に関するものは少ない,今回,我々はCCl<SUB>4</SUB>の血液凝固線溶能に及ぼす影響について検索した.SD系,雄性ラットにCCl<SUB>4</SUB> 0.5,1.0,2.0,3.0ml/kgを単回経口投与した.投与24時間後に血液凝固能ではTEG,HPT,TT,PRCT,PT,PTT,フィプリノーゲン,凝固XIII因子,ATIII,線溶能ではPLG,α<SUB>2</SUB>PI,肝障害の指標としてGOT,GPT,他にHt,L/B比,血漿総蛋白量を測定した.その結果,血液凝固線溶能は,CCl<SUB>4</SUB>投与量の増加に従い漸次,用量依存的に低下した.CCl<SUB>4</SUB> 0.5ml/kgではGOT,GPTは高値を示すにもかかわらず,血液凝固線溶能はすべてには著しい変化はみられなかった.CCl<SUB>4</SUB> 1.Oml/kgではすべてにわたり,著明な活性の低下を認めた.また,GOT及びGPTはCCl<SUB>4</SUB>投与量が1.0ml/kg以上では逸脱が限界に達するのに対し,CCl<SUB>4</SUB>投与量とHPT,PTT,PT,凝固XIII因子,PLGの障害比との間には片対数グラフ上で直線関係が成立した.また,CCl<SUB>4</SUB>の高投与量でも全身の出血症状及びTEGでの著明な線溶亢進はみられなかった.以上よりCCl<SUB>4</SUB>投与による血液凝固障害モデルはCCl<SUB>4</SUB> 1.0ml/kg単回経口投与が適していると思われる.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
-
大塚 邦子
昭和大学医学部第二薬理学教室
-
笠原 多嘉子
昭和大学医学部薬理学教室
-
坂本 浩二
昭和大学医学部薬理学教室
-
阿部 浩一郎
昭和大学医学部形成外科学教室
-
大塚 邦子
昭和大学医学部第一薬理学教室
-
笠原 多嘉子
昭和大学医学部第一薬理学教室
-
坂本 浩二
昭和大学医学部第一薬理学
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