低タンパク質•高エネルギー飼料給与ヤギの成長と代謝に及ぼすEpidinium caudatumの影響
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概要
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単一種のルーメンプロトゾアとしてEpidinium caudatumのみが存在するヤギ(Epi群)とプロトゾア不在ヤギ(Def群)の代謝と成長を各群3頭(試験開始時平均体重Def群11.4kg,Epi群11.9kg)を供試して比較した.圧片トウモロコシ,糖蜜,蒸煮処理カラマッ,およびミネラル•ビタミン混合からなる飼料(DM中CP6.4%,TDN72%)を11週間与えた(前期試験)後,この飼料に尿素を2%添加して11週間給与した(後期試験).Epidiniumの密度は前期では103から105/mlに維持され,後期には前期の10倍程度となった.Def群ではほとんど残飼がなかったが,Epi群では前期において採食量の変動が大きく,後期には残飼が認められなくなった.平均日増体量はDef群(前期52g,後期83g)に比較しEpi群(前期16g,後期58g)で有意(P<0.05)に低かった.ルーメンアンモニア,総VFA濃度は前期に低く,また,Epi群で高い傾向であった.C2/C3比は両群ともほぼ一定で推移した.血漿アラントイン濃度(mg/100ml)はEpi群では前•後期とも1.4前後だったが,Def群では前期1.23から後期には1.64と有意(p<0.05)に上昇した.血漿総タンパク質,アルブミン,グルコース濃度,ヘマトグメット値はDef群で高い傾向で推移した.尿素Nは両群とも後期に著しく高まった.有機物,NDFおよびNの消化率は両群に差はなかったが,Epi群では摂取Nに対する尿中Nの割合が高く蓄積Nの割合が抵い傾向が認められた.尿中アラントイン排泄量ま,Epi群ではDef群の56%と有意(p<0.05)に低かった.以上の結果,本試験の飼料給与条件下においてはEpidinium caudatumがヤギのN代謝や成長に影響を与えることが示された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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