ラット小腸刷子縁膜小胞におけるアミノ酸取込みの研究

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ラット小腸でのアミノ酸輸送系を解析するために,ロイシン,フェニルアラニン,プロリン,グリシン,リジン,アスパラギン酸の取込みを,刷子縁膜小胞を用いて測定した.刷子縁膜小胞は,腸管粘膜をホモジナイズ後,カルシウム沈殿法を用いて精製した.各アミノ酸取込みの経時的変化を測定した結果,ロイシン,フェニルアラニン,プロリンおよびリジンは,Na+濃度勾配により取込みが促進された.このうちロイシン,フェニルアラニンおよびプロサンの輪送ではオーバーシュートが認められた.各アミノ酸の初速でのNa+依存性,非依存性および単純拡散の割合を測定した.Na+濃度勾配により取込みが促進されたアミノ酸のうち,ロイシン,フェニルアラニンならびにプロリンは,Na+非依存性による取込みよりも,Na+依存性による取込みの割合が高く,一方で,リジンはNa+非依存性による割合が高かった.アスパラギン酸はNa+濃度勾配存在下でも取込みは促進されなかった.また,グリシンはいずれの系においても,取込み量は他のアミノ酸に比べ低かった.Na+依存性と非依存性それぞれにおけるアミノ酸輸送系を交差阻害法により解析し,Na+依存性アミノ酸輸送には少なくとも3つの異なる輸送系が存在し,Na+非依存性を示すアミノ酸輸送系は2つの存在することを確認した.Na+依存性の輸送系は,中性アミノ酸,フェニルアラニンおよびプロリンに特異的な3つの系が存在し,リジンはNa+濃度勾配存在下では中性アミノ酸輸送系を経由して取込まれていることが明らかになった.Na+非依存性においては,アスパラギン酸に特異的な輸送系が存在する他に,特異的な基質を持たない系が存在することが明らかになった.
社団法人日本畜産学会の論文

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