単一アミノ酸過剰投与の幼雛器官遊離アミノ酸パターンに及ぼす影響 : II. 過剰グリシン投与と幼雛の肝,全血,筋肉および皮膚の遊離アミノ酸
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
アミノ酸の栄養学的研究において,器官特にプラズマ中の遊離アミノ酸レベルが食餌中のアミノ酸の過不足の判定にしばしば用いられるようになつている.その他の諸器官はそれぞれの機能に基づいてアミノ酸の異化代謝をいとなんでいるが,何らかの形で摂取したアミノ酸のパターンによつて,その遊離アミノ酸レベルが影響を受けていると考えられる.各器官毎のアミノ酸栄養を論ずるためにも,多くの種類の器官中遊離アミノ酸パターンが食餌中アミノ酸によつていかに影響されているかを明らかにしておくことは故なしとしない.前報において幼雛のグリシン過剰摂取における肝中の遊離アミノ酸パターンの変動について報告したので,本報では全血,筋肉,皮膚も併せて対象とし,食餌に2%および4%の過剰グリシンを混じて経口投与した諸例につき,遊離アミノ酸パターンを微生物法で測定した結果を報告した.グリシン過剰投与によつて肝のグリシソおよびゼリン量が増加したことは前報と同様であつた.全血中ではグリシン量はかなり著明に増加したが,肝の例と異なり,ゼリンの増量は認められなかつた.筋肉,皮膚ともにグリシンおよびゼリン量に何らかの変動が認められたが,それぞれの増量の程度は各器官によつて或は明らかであり,或は有意でなく,かつ,グリシンとゼリンの増加部分のモル比も各器官によつて異つていることが知られ量た.これらの諸成績の考察とグリシン過剰時の幼雛増体の動向を考察し,今後の実験によつて遊離アミノ酸量の増加と生物の増体との関連を検索すべぎことを記した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
関連論文
- ラマ属家畜被毛の形態について
- 歩行運動がラットの成長と体成分に及ぼす影響 : 2.高温環境下の歩行運動が体脂肪蓄積に及ぼす影響
- 歩行運動がラットの増体量と体成分に及ぼす影響 : 1.体脂肪減少に対する2種類の運動計画の影響
- 食糞行動の阻止時間の相違がラットの成長におよぼす影響
- ラマ属家畜の血液タンパク質および酵素の多型
- 飼料の物理的性状,特に形態および硬度が子豚の採食行動および飼料摂取量に及ぼす影響
- 加熱処理が粗飼料の成分変化に及ぼす影響
- 肥育豚の歩行運動に関する基礎的研究
- ラットの3種の食糞阻止器具の比較について
- ウエットフィーデイングにおける給与飼料温度の違いが子豚の採食行動ならびに発育に及ぼす影響
- 高温環境が子豚の成長におよぼす影響
- 環境温度の日内変動幅が子豚の成長および消化率におよぼす影響
- 食餌性プロリンの急性欠如がラットの腎アミノ酸代謝に及ぼす影響
- 畜産学,特に養豚学の教育と後進者の指導育成
- 放牧区におけるトナカイの青草摂取量の季節変化
- ラット小腸刷子縁膜小胞におけるアミノ酸取込みの研究
- ラット小腸刷子縁膜小胞におけるL-リジン取込みの完全飢餓の影響
- ラットによる含水糞の喰糞行動
- 単一アミノ酸過剰投与の幼雛器官遊離アミノ酸パターンに及ぼす影響 : I. 過剰グリシン投与と幼雛肝の遊離アミノ酸
- 単一アミノ酸過剰投与の幼雛器官遊離アミノ酸パターンに及ぼす影響 : II. 過剰グリシン投与と幼雛の肝,全血,筋肉および皮膚の遊離アミノ酸