単一アミノ酸過剰投与の幼雛器官遊離アミノ酸パターンに及ぼす影響 : I. 過剰グリシン投与と幼雛肝の遊離アミノ酸
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概要
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動物の器官組織中のアミノ酸レベルは摂取タンパク質中のあるアミノ酸の過不足の判定に利用することが出来ると考えられるので,その一端を知る目的で実験を試みた.プリマスロック×ホワイトレグホーンの幼雛(雄性)を市販飼料で一週間飼育し,これより選出した幼雛に(1) 基本配合飼料のタンパク質レベル16%にしたもの,(2) 同じくタンパク質レベル20%にしたもの,(3) グリシン4%を(1) に混じたもの,グリシン4%を(2)に混じたもの,の4種類を群別に投与して飼育し,この食餌開始後第3週および第5週でそれぞれ肝の遊離アミノ酸18種を微生物法で測定した.全般に16%タンパク質の群は20%のものよりわずかに成長が劣つたが,4%グリシンのものは更にそれぞれ著しく成育が遅滞した.しかし,週間成長量は第5週より回復の傾向を示した.肝中遊離アミノ酸のうちグリシンおよびゼリンが第3週の例においては,グリシン過剰投与群において著しく増量することが観察されたが,第5週の例では増量が認められなかった.その他のアミノ酸ではグリシン過剰投与によって系統的な増量または減量を示したものはなかつた.これらの知見と幼雛の成長量との関連などに関して論述した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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