養豚用飼料における添加リジンの利用性および飼料の消化率に及ぼす給餌回数の影響
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概要
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豚の飼料中に添加された塩酸L-リジンの利用性に及ぼす給餌回数の影響について検討した.また粗蛋白質,総エネルギー,粗脂肪および粗繊維の消化率への影響も調べた.1日の給餌回数を1回,3回および8回として,基礎飼料(リジン不足飼料,0.47%)およびそれに塩酸L-リジンを0.3%添加した飼料(0.71)の2種を用いて子豚の消化試験および窒素出納試験を行なった.消化試験の結果より,リジン添加飼料では粗蛋白質および粗脂肪の消化率が有意に高くなり(P<0.05),リジン不足は消化率に悪影響を及ぼすことが示唆された.給餌回数の違いは各成分の消化率には影響を及ぼさなかった.また窒素出納試験の結果より,尿中窒素排泄率はリジン添加飼料給与時に給餌回数の影響が認められた.1回給餌区における尿中の窒素排泄率は59.3%であり,8回給餌区における50.5%に対し有意に高かった(P<0.05).基礎飼料給与時には尿中の窒素排泄率に及ぼす給餌回数の影響は認められなかった.基礎飼料区とリジン添加飼料区における尿中の窒素排泄率の差を添加リジンの利用性とみなすと,8回給餌区に対する1回給餌区の添加リジンの利用性はわずかに53.2%であった.以上の結果より,1日当たりの給餌回数は飼料成分の消化率には影響しなかったが,添加リジンの利用性には影響を及ぼし,1日1回ではその利用性の劣ることが明らかにされた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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