豚の血液型に関する研究 : II. 同種血球溶血素による分類

概要

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豚の血液を同種血球溶血素により分類を試みたところ次の結果を得た.1) 血清中には一種の溶血素SHαがあり,血球中にはそれに対応する溶血原SHaが存在する.それによつて豚血液は血球中にSHaをもち,血清中にSHαを欠くものをSHa型,血球中にSHaを欠き,血清中にSHαをもつものをSHα型,血球中にSHaを欠き,血清中にSHαを欠くものをSHo型とし3型に分類された.中ヨークシャー種194頭およびランドレース種166頭のそれらの出現頻度はそれぞれSHa型40.72%(79頭),28.31%(47);SHα型13.92%(27),27.11%(45);SHo型45.36%(88),44.58%(74)であつた.2) 溶血素(SHα)の溶血素価は1〜64倍であつた.3) 溶血原SHaと凝集原SaおよびSbの組合せで豚血に液は8型,S+ a S+ b SH+ a,S+ a S+ b SH- a,S+ a S- b SH- a,S+ a S- b SH+ a,S- a S+ b SH+ a,S- a S+ b SH- a,S- a S- b SH+ aおよびS- a S- b SH- aに分類され,その出現頻度は158頭中それぞれ17.72%(28頭),8.23%(13),5.06%(8),22.78%(36),0,27.85%(44),1.27%(2),17.09%(27)であつた.4) 溶血素の耐熱性は溶血素価32倍以上のものは60°C15分処理で失われた.一般に高い溶血素価のものは耐熱性がある.溶血素の非働化は45°C30分加温が適当である.また溶血素を20°C〜37°Cに保存すると1週でその価は著しく減弱し,2〜3週で消失する.冷室では1週で若干減弱し,6〜10週で消失するが,-20°Cおよび-40°Cで凍結保存した場合は10週でもその価は変化しない.
社団法人日本畜産学会の論文

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