家畜における抗Q凝集素に関する研究 : III. 豚正常血清中の抗Q凝集素の性状
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概要
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ブタ正常血清中の抗Q凝集素(titer 1:4)の性状について耐熱性,保存性ならびにその分画の活性を調査し,次の結果を得た.1) 抗Q凝集素の温熱に対する影響は,56°C,15〜45分間処理することにより活性化され,60°C,60分間あるいは65°C,15分間の加温によつて完全に確壊された.2) 抗Q血清を恒温器内(37°C)および室温(20°C)に放置すると4〜5週目でその抗体活性が失われ,冷室(4°C)に保存するときは4週まで変化なく,その後除々に減弱して14週目に消失した.しかし凍結(-20°C)して保存した場合は1年後もなお同様の力価を示した.3) 超遠心分離によりFraction 1〜5に分けた最下層の分画のみに抗Q凝集素が検出され,その力価は1:8で抗体活性は2倍に高められた.また2-Mercaptoethanol (0.1M)処理により抗Q凝集素の活性が失われた.これらより推察して,抗Q血清の活性部分は分子量約100万のMacroglobulinであることが考えられる.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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