家畜飼料のFusarium分布とFusariumカビ毒産生性
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概要
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家畜飼料中のカビ分布の実態を北海道十勝地方で調査した,対象飼料は,牛馬用の乾草,稲わらとサイレージで,特に粗飼料に多いとされるFusariumの分布を検索した.また,分離FusariumのTrichothecene産生牲を検索することを目的として,ウサギ皮膚試験による毒性試験を試みた.供試飼料のカビを検索したところ,乾草,稲わらおよびサイレージでは概ね105〜166/gの検出頻度で,カビ分析をみると,乾草と稲わらでは似た傾向がみられ,多種類の菌種が存在していた.その中でもFusariumが多かった.また,サイレージのカビ分布は,Aspergillus (A. fumigatus), Geotrichum Mucorに限られた.Fusariumの優占菌種はF. graminearum であり,次いでF. nivaleであった.分離Fusarfum 53株の穀類培養したEtOH菌抽出物のウサギ皮膚試験を試みたところ,供試Fusariumのなかで3株が著しい炎症変化を誘起した.これらのFusariumのうち2株はF. graminearumであり1株は未同定菌種であった,F. graminearum 2株の抽出物質には,T-2 toxin, NeosolaniolおよびDiacetoxy-scirpenolなどが含まれていると推定されたが,Fusarium sp.の抽出物質については,さらに分析,同定する必要があると考えられた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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高鳥 浩介
食品薬品安全センター秦野研究所
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小西 辰雄
帯広畜産大学家畜内科学教室
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高鳥 浩介
(財)食品薬品安全センター秦野研究所微生物研究室
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大久保 薫
国立予防衛生研究所リケッチア・ウイルス部
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坂本 京子
(財)食品薬品安全センター秦野研究所
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弓野 克吉
帯広畜産大学
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弓野 克吉
帯広畜産大
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坂本 京子
(財)食品薬品安全センター泰野研究所
-
大久保 薫
国立予防衛生研究所
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小西 辰雄
帯広畜産大学
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高鳥 浩介
(財)食品薬品安全センター泰野研究所
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