子牛の血清免疫グロブリン濃度の経時的変動
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概要
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本学附属農場で出産した23頭のホルスタイン種子牛について, 出生直後より13週齢まで経時的に採血し, 血清免疫グロブリン濃度を測定した. 出生直後(哺乳前)は各免疫グロブリンともに検出不能か微量であった. 哺乳後, 各免疫グロブリンは急激に上昇し, 生後18〜30時間でピークに達した. その後の減少率は, 各免疫グロブリンによって異なり, IgG1とIgG2はゆるやかに減少するのに対し, IgMとIgAでは1〜2週齢の間に急激な減少を示した. 特にIgAは4日齢でピーク時の1/2以下に減少しており, 特徴的な推移を示した. その後, 各免疫グロブリンは徐々に上昇するが, 13週齢でもその値は低かった. 哺乳後の血清免疫グロブリン濃度には個体により, かなりの差が認められ, これらは, 哺乳量, 哺乳時期などが関連しているものと思われた. "低γグロブリン血症" を呈した2頭の子牛において, 1週齢よりIgMの産生が認められたが, IgAの産生はかなり遅れ6週齢であった. 試験期間中, 一過性の下痢, 感冒が数頭に認められたが, 2, 3日で恢復した. また, 血清免疫グロブリン濃度と増体率, 疾病の発生率との間には, 特に関連が認められなかった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1982-08-25
著者
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