必須脂肪酸欠乏飼料給与が成長中ヒナの肝臓中脂質含量におよぼす影響

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卵用種および肉用種ヒナに必須脂肪酸欠乏飼料を給与した際,肝臓中の脂質含量におよぼす影響を検討した.必須脂肪酸欠乏飼料で成長中のヒナを飼育すると,卵用種および肉用種ともに,対照群より成長速度は遅かった.さらに肉用種ヒナにおいては,顕著な脂肪肝が観察された.必須脂肪酸欠乏飼料でヒナを飼育すると,卵用種および肉用種ともに,対照群に対して,肝臓中トリグリセリド含量は統計的に有意な増加を,リン脂質含量は低下を示した.また無脂肪飼料を給与した卵用種ヒナにおいて,血清中トリグリセリドおよびリン脂質濃度は対照群に対して,統計的に有意な低下を示した.肉用種ヒナにおける血清中のトリグリセリド,全コレステロールおよびリン脂質濃度には統計的に有意な影響は観察されなかった.血清中の遊離脂肪酸濃度は肉用種ヒナにおいては,両必須脂肪酸欠乏飼料において,また卵用種ヒナにおいては無脂肪飼料群において,対照群に対し統計的に有意に低い髄を示した,肝臓における脂質合成能は,無脂肪飼料群においては,卵用種および肉用種ヒナともに,対照群に対して統計的に有意な増加を示し,飽和脂肪酸飼料群では,肉用種ヒナにおいて,統計的に有意な増加が観察された.肉用種ヒナの肝臓中に存在している,グルコース-6-リン酸脱水素酵素および6-ホスホグルコン酸脱水素酵素の活性が,両必須脂肪酸欠乏飼料群において,対照群に対し統計的に有意に増加した.卵用種ヒナの無脂肪飼料群において,肝臓から血流中へのトリグリセリドの分泌速度が,対照群に比べて統計的に有意に大きかった.
社団法人日本畜産学会の論文

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