エチオニン投与により誘発した日本在来種ヤギの脂肪肝に対するパンテチンの糖新生及び脂肪酸合成関連酵素の活性への影響

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DL-エチオニン処理をして脂肺肝を誘発させたヤギにパンテチンを投与することによって,肝臓に脂肪が蓄積することによる肝臓での糖新生障害にパンテチンが効果あるかを検討した。日本在来種去勢ヤギをエチオニン処理によって実験的に脂肪肝を誘発させ,その後,パンテチンを静脈内に投与し,エチオニン処理前,処理後に肝臓と皮下脂肪組織を生検によって採取した。肝臓中トリグリセリド含量は,エチオニン処理後5日後,いずれのヤギも著しく増加した。その後,徐々に減少したが,対照群の減少は僅かであり,パンテチン投与群ではパンテチン投与7日目(エチオニン処理12日目)でエチオニン処理前の値に戻った。血漿中トリグリセリド濃度は,エチオニン処理によって減少し,その後回復したが,その程度はパンテチン投与群の方が大きかった。糖新生の律速酵素である肝臓中のPEPCKとFDPaseの活性は,エチオニン処理によって,5日目で著しく低下した。その後,対照群では20日目でも回復せず低い活性で推移した。パンテチン投与群では,それらの活性は徐々に回復し,20日目では処理前の値に近づいた。皮下脂肪組織における脂肪酸合成関連酵素の活性は,実験期間を通して大きな変化は観察されなかった。以上の結果から,パンテチン投与は,反芻動物で発生する脂肪肝の予防あるいは治療に効果のあることが期待できる。
岐阜大学の論文
1992-12-25

エチオニン投与により誘発した日本在来種ヤギの脂肪肝に対するパンテチンの糖新生及び脂肪酸合成関連酵素の活性への影響

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