非英語圏の臨床試験文献抄録はどこまで構造化されているか
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概要
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背景:構造化抄録の重要性は,EBM(エビデンスに基づいた医療)の普及とともに認識されつつある。しかし,英語文献では普及が進んでいるものの,非英語文献では十分浸透していない。方法:PubMedを使用し,1987年から2001年までの,EBM実践のうえで有用となる臨床試験文献群を対象に,非英語文献の構造化抄録採用状況を調査した。結果:各国語別の構造化抄録付与率について,全調査対象期間での平均値と,かっこ内に1999年から2001年の値を示す。ドイツ語は17.3%(48.2%),フランス語は16.1%(45.1%),イタリア語は21.3%(76.3%),スペイン語は44.7%(74.9%),ロシア語は4.9%(17.4%),中国語は21.3%(100%),そして日本語はわずか3.5%(10.4%)であった。さらに,構造化抄録付与率を基に各国語別の雑誌ランクも作成した。考察:構造化抄録は,非英語圏の雑誌において普及が進んでいるが,日本語文献では改善が示されていない。日本におけるEBM実践のために,研究者,臨床家,編集者,情報専門家は構造化抄録の重要性を認識すべきである。
著者
-
中山 健夫
京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学
-
山崎 茂明
愛知淑徳大学文学部図書館情報学科
-
中山 健夫
京都大学大学院医学研究社会健康医学系専攻健康情報学分野
-
中山 健夫
京都大学大学院医学研究科医療システム情報学
-
山崎 茂明
愛知淑徳大学
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