第2章必修教科等の研究 1 国語思考をより深め，表現をより適切にするための，「判断」に着目した実践開発 ─「学び合い高め合う国語学習」を目指して─

概要

論文の詳細を見る
学び合い高め合う授業をつくる試みとして，「思考力・判断力・表現力」のうち思考と表現の結節点にある「判断」に着目し，目的や場面に応じて言語活動の適否を判断する学習を開発した。本稿はその単元の２事例を報告するものである。中学校入門期に，名詞に自分を紹介するキャッチフレーズを入れる目的で新聞広告のキャッチフレーズを収集し分類する学習をすれば，中学校で学習する文学の表現技法の大体を生徒自ら発見でき，文学表現のよさを「判断」する基準となる観点が整う。また，教科書の改版に伴って書き改められた説明的文章教材を，書き換え前の状態と新旧比べて読む学習をすれば，特に事例の差し替えや扱いの変更等に込められた筆者の「判断」を推測しやすくなり，書き手として執筆時や推敲時に検討すべき点，また読み手として読む際に考慮すべき点を，発見的に学ぶことができる。
2014-03-31