確かな学力の育成 : 国語基本教材の授業アプローチの方法 『史記』(司馬遷)の場合
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
確かな学力の育成のためには, 国語科では基本教材のあり方を常に問い直す試みが不可欠である。本研究は, 中学校・高等学校の文学的文章の基本教材の授業においてどのような読みの学力を育成することができるかを, その授業アプローチに焦点化して3年間にわたって実践・検証したものである。第1年次は中学校の基本教材である「少年の日の思い出」(ヘルマン・ヘッセ), 第2年次は高校の基本教材である「羅生門」(芥川龍之介), 第3年次に当たる今年度は, 高等学校古典(漢文)の基本教材である『史記』(司馬遷)を取り上げた。『史記』の基本教材としての今日的価値を明らかにした後, 「項羽本紀」の「鴻門之会」に絞って実践を行った。全体での読解授業に入る前に, 当該部分を生徒独自に読み解かせた。そして, 授業の前後に人物・表現・場面の3点に関してアンケートをとり, 分析し, アンケートから導かれたことを土台に効果的なアプローチの方法を提案した。殊に学習者が『史記』の叙述の何に着目し, それをどのように評価したかを踏まえた。具体的には, 「鴻門之会」の「身振りの文学」としての性格を基底に据えたアプローチの提案となった。
- 2011-03-24
著者
関連論文
- 確かな学力の育成 : 協同的に学び,探究する活動を生かした国語科単元づくりに関する研究
- 新学習指導要領に向けての授業実践 : 他者の言葉とのかかわり合いをとおして, 言葉の世界をひらく国語科の学習
- 確かな学力の育成 : 国語基本教材の授業アプローチの方法『羅生門(芥川龍之介)』の場合
- 読む力を育成する国語科授業づくり : 書く活動を取り入れた読みの指導をとおして
- 読むことの学習指導における「学習のてびき」の一源流 : E. A. クロス編『文学 : アンソロジーシリーズ』を中心に
- ヴィジュアル・リテラシーと審美的理解 : Barbara Z.Kieferの所論を手がかりとして
- 国語教科書研究の方法(1) : 国語教材の変遷を考える
- 「読むこと」に先立って「教えること」に抗って : 石井直人さんへ
- 確かな学力の育成 : 国語基本教材の授業アプローチの方法『少年の日の思い出(ヘルマン・ヘッセ)』の場合
- 言語能力を育成する国語科授業づくり : 言語特性に着目した読みの指導をとおして
- 学会としてのステータスの持続(新旧理事長挨拶)
- 明日を担う生徒を育てる学校教育の創造(4) : 表現・コミュニケーション力の育成と評価
- 明日を担う生徒を育てる学校教育の創造(3) : 「必修教科」「選択教科」「総合的な学習の時間」と評価(1)
- 日本文学協会第五二回大会報告(第一日目) : 「学び」という出来事の成立に果たす文学の役割
- 『中等国文』(1943)の研究 : 『中等国文五』・『国文六』を中心に
- 思考力・判断力・表現力等をはぐくむ言語活動の在り方 (特集 思考力・判断力・表現力等の育成と言語活動の充実)
- 『中等国文』(1943)の研究 : 編纂理念と指導法を中心に
- 附属学校における教育実習のあり方を求めて(3) : 授業構想の観点の内在化を中心に
- 思考力・判断力・表現力等を育む言語活動--新しいことばの学びの視点から (第37回 教育展望セミナー研究討議資料 新しい教育の流れを創る(1)新しい教育課程がめざすもの) -- (第3分科会 中学校部会 新しい学習指導要領がめざす中学校教育)
- 新国語科の目標・内容・方法 (特集 新学習指導要領で教科はどう変わるか)
- 「思考力・判断力・表現力等」を育む「各教科等における言語活動の充実」 (特集 新学習指導要領で取り組みべき改善事項)
- 附属学校における教育実習のあり方を求めて(2) : 効果的な指導シート・記入シートの提案を中心に
- 文学作品を読む能力の発達に関する研究 : の量的分析を中心として
- 文学作品に対する子どもの反応の発達 : 「おにたのぼうし」の場合(現代の言語環境と国語教育)
- 5 文学作品に対する子どもの反応の発達 : 「おにたのぼうし」の場合
- 附属学校における教育実習のあり方を求めて--国語科の場合
- 国語科教師の実践的力量をどう育むか : ライフストーリーの視点から(テーマ:国語科教師の実践的力量をどう育むか(1)-ライフストーリーの視点から-)
- 国語科教育学の現状と課題(座談会 抱負を語る,III 私の抱負,第1部 回想と展望,50周年記念)
- ポストモダン絵本論からみた文学教育の可能性(自由研究発表)
- 書評 鶴田清司著『〈解釈〉と〈分析〉を統合する文学教育--新しい解釈学理論を手がかりに』
- 「読解力」育成のための支援に関する基礎的研究 : 米国の理解方略指導論を中心に
- 国語科総合単元づくりのための教材開発と指導法に関する基礎的研究(V) : 言葉をとおしてかかわり合い, 他者とつながる言葉をつくり出す国語科の学習
- 「抱きしめる」ことが親の子に対するイメージに与える影響に関する研究(2)
- 松本修著, 『文学の読みと交流のナラトロジー』, 2006年7月20日刊, 東洋館出版社, B5判, 154頁
- 言語力の育成をめざしたこれからの教科教育 : どのような言葉を,どのように育てていくか(第34回日本教科教育学会全国大会(宮崎大会)シンポジウム)
- 「交流理論」は学習者に何をもたらすか : 「批評的読み」の基礎としての「審美的読み」
- リテラシー教材としての絵本の可能性 : L.R.Sipeの論を手がかりとして
- 「審美的読み」は学習者に何をもたらすか : ローゼンブラット「交流理論」の今日的意義
- リテラシー教育におけるグラフィックノベルの役割 : 米国における事例を手がかりとして
- 小説教材と生徒との幸福な出会いのために : 研究協議「中学校・高等学校における小説の学習指導 : 新教材を読み解く」からの出発 まとめ
- 国語科総合単元づくりのための教材開発と指導法に関する基礎的研究(IV) : 言葉をとおしてかかわり合い、他者とつながる言葉をつくり出す国語科の学習
- 「抱きしめる」ことが親の子に対するイメージと子どもの行動に与える影響に関する研究(1)
- ことばの力を育てる絵本と国語教育(パネルディスカッション)
- テクストの多声性と読者の〈物語〉 : 宮沢賢治「おいの森とざる森、ぬすと森」の授業実践記録を手がかりとして
- 戦後初期国語科サブカルチャーに関する調査研究--副読本・参考書等を中心に
- 国語科総合単元づくりのための教材開発と指導法に関する基礎的研究(III) : 言葉をとおして他者と向き合いかかわり合う国語科の授業
- 国語科総合単元づくりのための教材開発と指導法に関する基礎的研究(I) : 単元の主題をいかした多様な教材編成とその指導法の開発
- 国語科総合単元づくりのための教材開発と指導法に関する基礎的研究(II) : 国語科の小中合同授業の試みを中心に
- 小・中国語科における基礎・基本の指導と総合単元づくりとのかかわりに関する研究(IV) : メディアリテラシーの育成を想定した小中一貫の国語科単元づくりの試み
- 小・中国語科における基礎・基本の指導と総合単元づくりとのかかわりに関する研究(III) : 創作文を中心とした単元学習「少年をみつめて」(中1)の実践をとおして
- 小・中国語科における基礎・基本の指導と総合単元づくりとのかかわりに関する研究(II) : 課題作文「私の家族の誕生日」の実態調査をとおして
- 小・中国語科における基礎・基本の指導と総合単元づくりとのかかわりに関する研究
- 協同的創造力を育成する第5〜9学年の選択教科単元モデルの開発(2)
- 新学習指導要領に基づく授業実践 : 他者の言葉とのかかわり合いをとおして, 言葉の世界をひらく国語科の学習
- 読む力を育成する国語科授業づくり : 〈読み〉とその変容を自覚させる学習をとおして
- 確かな学力の育成 : 国語基本教材の授業アプローチの方法 『史記』(司馬遷)の場合
- 確かな学力の育成と評価の在り方 : 「書くこと」の活動を通して, 読みの深化をはかる授業づくり
- 「情報を伝える力」に培う授業の創造 : 「表現・コミュニケーション力」の育成を目指して
- 国語科における授業と評価(1) : 「情報を読む力」に培う授業の実践を通して
- ポストモダン絵本論からみた文学教育の可能性--マコーレイ『白黒』に関する議論を手がかりとして
- 国語教育学の研究動向と展望 : 全国大学国語教育学会『国語科教育』掲載論文を中心に(教科教育学の展望・評論(第3回))
- 提案1 あなたがわたくしの共著者としてあなた自身を読む/わたくしがあなたの共著者としてわたくし自身を読む(大学における国語教育研究はどうあるべきか-全国大学国語教育学会に『大学』が付いている意味を問う-,春期学会 第112回 宇都宮大会)
- 司会者の言葉(現代の言語環境と国語学力,秋期学会(第109回 岐阜大会))
- 提案3 文学的な関与を核とするリテラシー教育へ(これからの文学教育,春期学会(第104回 東京大会))
- 国語科教育学研究におけるアプローチの方法を問い直す : 学習者論的アプローチの方法を中心に(国語科教育学研究のこれまでとこれから1)
- 提案2 絵本は、子どもが読者になることを、どのように励ますのか(ことばの力を育てる絵本と国語教育,秋期学会 第119回 鳴門大会)
- 「読むこと」指導における小・中・高・大の連携
- を伝え、受けつぎ、共有する営みとしての文学教育 (特集・21世紀の「日本文学」研究・教育)
- 国語教科書研究の方法 : 国語教科書のいまとこれから(公開講座)
- 理解するとはどういうことなのか : Keene (2008) To Understandを手がかりとして(自由研究発表)
- 国語学習におけるグラフィック・ノベルの役割 : アメリカ合衆国の事例を中心に
- 「失いつづけたすべてのものの打ち上げられる場所」と「行くべきところ」との間で--文学教育の「転回」と「希望」のために (特集 「文学教育の転回と希望」を受けて)
- まとめ いま、表現力をどう育てるか--その根を育てるということ (第47回広島大学教育学部国語教育学会・研究協議 協議課題 いま、表現力をどう育てるか--"ことばの力"を問い直す)
- 読むことの学習における「映像化方略」の役割 : J. D. Wilhelm の所論を手がかりとして
- 協議会まとめ 文学教育の未来--「文学」は国語教育に何をもたらすか (研究協議会 主題:文学教育の未来--平成16年度)
- グループ・ディスカッションによる「読み」の構築
- 子午線 「教育改革」以後の文学教育
- 文学の読みが「対話的」になる条件 : "point-driven reading" 概念の検討を手がかりとして
- 小説教材の読みにおける と の対話・葛藤 (2) : フラジャイルなテクストによる読者側の葛藤の喚起
- 「自立した読者」を育てる足場づくり--米国における理解方略指導論を手がかりとして
- 文学を学校教育で扱う理由
- 「自立した読者」を育てる足場づくり : 米国における理解方略指導論を手がかりとして
- 小説教材の読みにおける〈作者側の読者〉と〈物語読者〉の対話・葛藤(1)ラビノヴィッツとスミス共著『読者に権限をもたらす』における読者概念の検討
- テクストのフラジリティと文学教育の根拠 (特集・日本文学協会第57回大会報告(第一日目)・総会)
- リテラチャー・サークル実践に関する一考察--Moving Foward withLiterature Circles(2002)の検討を通して
- コミュニケーション行為としての文学教育 : 読書行為の三極構成に着目して(21世紀にいきる国語教育実践学の構築に向けて)
- 読みの理論と文学教育実践との関係に関する一考察 : Rabinowitz & Smith共著Authorizing Readers(1997)を手がかりとして
- 文学の授業における「主観」と「協働(コラボレーション)」 : デヴィッド・ブライヒの理論展開を手がかりとして
- 文学の授業にとって「読者論」とは何か
- 「国語科」の教え・学びにおける「読むこと」の役割 : 読むことの教育論の検討を通して(読むことの教育, 国語科教育研究の歴史と展望)
- 研究協議会のまとめ 「国語科単元学習」の可能性--生きて働く「カリキュラム」を生み出すために (第39回学会協議会記録 テーマ:生き生きとした学び手を育てる--国語科単元学習の可能性を探る)
- 協同の読みの成立・「私」の読みの深化 : 「子供のいる駅」 (黒井千次) を教材として
- 新学習指導要領の下での授業実践 : 伝統的な言語文化の学習における小・中・高の連関について(1) (今日的な教育課題)
- 読むことの学習指導の研究史展望 : 目標に関する研究の成果と展望を中心に(自由研究発表)
- 第5節 実践を育む「対話者」との出会い(第1章 ライフストーリーの視点から,国語科教師の実践的力量をどう育むか)
- まとめ 言語活動の充実をどう図るか : 「ことば認識」「自己認識」の深化・拡充に向かう言語活動の追究 (第52回広島大学教育学部国語教育学会・研究協議)
- 学会の発展とその持続 : 退任のご挨拶(VIII 新旧理事長挨拶)
- 理解方略指導の具体的展開 : The Comprehension Toolkitを手がかりとして(自由研究発表)
- 絵本を用いた理解方略指導の実際 : 米国の事例を中心として(自由研究発表)
- 「読解力」育成に果たす絵本の役割 : 米国における実践的提案を手がかりにして(自由研究発表)