Awareness of Ethical Issues by Nursing Professionals at a General Local Hospital in Japan
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概要
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In recent years, various ethical issues have arisen in the field of medical practice because of the dramatic changes in medical technology and diversity among the different population. It is generally believed that nurses often find themselves in ethical dilemmas because of their closeness to their patients. In this study, we examined nursing professionals' awareness about ethical issues and examined their responses to them at a general hospital performing important roles in the Chugoku district in Japan. Thesub jects consisted of 335 nurses working at this hospital. An anonymous self-administrated questionnaire was given to them in 2003. As a result, 30-35% of the nurses responded that they were either worried about or were faced with ethical issues when considering specific situations as examples. About 15% of the nurses thought that they were currently worried about or were faced with some ethical issues in practice, which implied a low awareness level of the existence of ethical issues. In terms of their responses to such issues, they usually consulted medical staff members who were directly involved in the case. However, approximately 45% of the nurses reported that no official investigation such as one conducted by an ethics committee, had been conducted regarding such issues, which thus left the problem unsolved. These results suggested that the“subjectivity of nurses”and the“worries and dilemmas of nurses themselves”impacted the nurses' awareness of ethical issues. It appears that further inquiry into ethical issues is needed, with consideration by an ethics committee to better deal with many of the ethical issues.近年,医療現場では技術進歩や価値観の多様化などから医療の倫理が問われるようになってきている.医療はチームで行われているが,看護者は患者に近い存在として,人間の生と死やQOLに関わる倫理的問題にジレンマを感じている可能性がある.また倫理的問題に対する組織的取組みは問題の対処に影響を与えると考えられる.そのような問題点を考え,本研究では日本の地方都市の基幹病院の看護者が医療現場で出会う倫理的問題に対する認識と対処に関する調査を行いその特徴について検討した.地方都市の基幹病院の看護師を対象に自記式無記名の質問紙調査を行った.回答者331 名のうち,倫理的問題の認識で「悩む」および「直面した」と回答した看護職は平均回答率30.35%程度であった.「悩む」では対象者間のニーズ,「直面した」では医療従事者間の意見の違いがあり,倫理原則をめぐって,対象者の自律性や看護者の専門性が反映されていると考えられた.一方,現在悩んだり,直面していると回答した看護者は15%程度であり,倫理的問題が実際には起こっているにも拘わらず,それらを倫理的問題と認識していない可能性があることが考えられた.倫理的問題の対処として,「関係者と話し合う」「第三者に相談する」とした回答が多かったが,問題を検討する場や機会の存在については「わからない」が45%と約半数を占めており,倫理的問題の対処が十分に行なえていない可能性が考えられた.また,所属病院の倫理委員会の存在を知っている者は17%と少数であった.今後,医療の場で生じる「対象者間のニーズの対立」などの倫理的問題の対処に向けて,看護者の専門性に基づく倫理的問題に関する認識力を高めることと,これらの問題を検討する場や機会の充実および組織的対処の充実を図っていく必要性が示唆された.
- 2008-08-25
著者
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