並列・分散プログラミング言語X10によるHPCアプリケーションの記述
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概要
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X10は言語自体が並列・分散処理の機能を備えたプログラミング言語である.X10はAPGAS(Asynchronous Partitioned Global Address Space)プログラミングモデルに基づき,アプリケーションを複数の「プレース」(計算ノード)を用いて実行可能で,「async」文により同一ノード内での並列処理を行う「アクティビティ」を生成したり,「at」文によりアクティビティを別のプレースで実行して分散処理を行うことができる.本発表では,ハイ・パフォーマンス・コンピューティングにおいて典型的な,CまたはC++とOpenMPやMPIを用いて記述された並列・分散アプリケーションを,X10にポーティングした経験について報告する.ポーティングしたアプリケーションはいずれもX10のみを用いて記述されており,IBM製スーパーコンピュータのひとつであるPower 775のような大規模並列・分散環境において,元のチューニングされたプログラムと同等の実行性能とスケーラビリティを発揮することが確認できた.本発表では同時に,並列・分散アプリケーションにおいて頻出するコードパターン(データの持ち方や配列アクセス,ブロードキャスト,袖領域のデータ交換など)について,性能を落とさずX10で記述するための工夫などについても報告する.
- 2014-08-29
著者
-
竹内 幹雄
日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所
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白幡 晃一
東京工業大学
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田井 秀樹
日本アイ・ビー・エム 東京基礎研
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河内谷 清久仁
日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所
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村田 浩樹
日本アイ・ビー・エム(株) 東京基礎研究所
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土井 淳
日本アイ・ビー・エム 東京基礎研
-
堀江 倫大
日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所
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白幡 晃一
東京工業大学大学院情報理工学研究科数理・計算工学専攻
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