立体的に配置したスピーカによる音の包み込まれ感

概要

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近年,空間印象の向上を目的に,立体的にスピーカを配置するマルチチャンネル音響方式が提案されている。本報告では,立体的にスピーカを配置するマルチチャンネル音響方式に必要とされるスピーカ数について検討するため,スピーカの設置間隔と聴覚印象の関係を調査した。まず,垂直面に配置するスピーカ数の検討として,聴取者の耳の高さから上方の半円周上に,聴取者を取り囲むように15度間隔でスピーカを配置した状態と比較して,スピーカ間隔を広げたときの音の空間的なつながりを評価した。その結果,垂直面内には,聴取者の頭上を含む5個のスピーカを45度間隔で配置すればよいことが分かった。次に,水平面内に配置するスピーカ数の検討として,円周上に15度間隔で聴取者を取り囲むようにスピーカを配置した状態と比較して,スピーカ間隔を広げたときの音の包み込まれ感をスピーカを配置する水平面の高さを変えて評価した。その結果,上方においても耳の高さと同様に45度間隔よりも密にスピーカを配置すればよいことが分かった。よって,立体的にスピーカを配置するマルチチャンネル音響において,十分な包み込まれ感を得るためには,水平面に8個,垂直面に5個のスピーカを配置する必要があると考えられる。
一般社団法人電子情報通信学会の論文
2012-07-12

立体的に配置したスピーカによる音の包み込まれ感

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