学童保育指導員が認識する虐待徴候
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概要
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本研究では,岡山県内の学童保育施設において学童保育指導員(以下,指導員)を対象に,児童虐待を発見した経験の有無とその際の虐待徴候,および指導員が認識する子どもへの虐待徴候を明らかにすることを目的とした。調査対象施設は同県内の学童保育連絡協議会に加盟している284施設とし,そこで勤務する指導員1,420名を対象に虐待発見徴候に関する構成的質問票(40項目)を用いた調査を実施した。回収数は676件(回収率47.6%)であり,完全回答の529件を分析した。その結果,虐待発見あり群は,虐待発見なし群に比して勤務形態,結婚の有無,子どもの有無,資格種類別,研修参加の有無,対応マニュアルの有無の属性に有意差があった。指導員が認識する子どもへの虐待徴候は「養育上の問題」「行動・表情の徴候」「他者とのかかわり方・性的逸脱行動の徴候」「発育・発達の徴候」の4つに分類された。ついで,虐待発見徴候の40項目を虐待発見あり群と虐待発見なし群の2群で比較検討すると,「身体が不潔である」「下着が交換できていない」「衣服が洗濯できていない」「常におなかがすいたという」「異常な食欲がある」の5項目は,虐待発見あり群のほうが虐待発見なし群に比較して有意に高い値を示した。一方,実際に虐待を発見した際の虐待徴候は「子どもの怪我やアザ」「服装や身だしなみの不潔さ」「問題行動を起こす」「子どもからの言葉による訴え」であった。
- 2013-04-00
著者
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鈴井 江三子
川崎医療福祉大学
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池田 理恵
川崎医療福祉大学
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齊藤 雅子
兵庫医療大学看護学部
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山本 八千代
川崎医療福祉大学保健看護学科
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池田 理恵
川崎医療福祉大 医療福祉 保健看護学科
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鈴井 江三子
兵庫医療大学
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谷野 宏美
川崎医療福祉大学医療福祉学研究科保健看護学専攻
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飯尾 祐加
兵庫医療大学
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谷野 宏美
新見公立大学看護学部看護学科
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大橋 一友
大阪大学大学院
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齊藤 雅子
兵庫医療大学
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山本 八千代
川崎医療福祉大学
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谷野 宏美
新見公立大学
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