不妊治療中の就労女性が経験する職場の理解と困難に関する研究

概要

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本研究では,不妊治療中の就労女性が経験する職場の理解と困難について明らかにし,不妊治療を受ける就労女性が安心して治療を継続するための,看護師の役割について考察することを目的とした。対象は,不妊治療を受けている,または受けた経験をもつ就労女性11名であり,半構造的面接法を用いた。データ分析は,質的帰納的に分析を行った。その結果,職場において,【不妊治療露呈によるプライバシーの保持困難】【不妊治療経験者が示す無理解】【同僚の不妊治療にまつわる不用意な発言】があり,不妊治療中の就労女性には【休暇取得の許可を取り扱う上司との関係維持によるストレス】や【不妊治療継続と気兼ねを感じる休暇取得との葛藤】があった。さらに【同僚の妊娠や出産を喜べないことへの自己嫌悪】があった。また,代々続く自営業においては,【後継ぎを産めないことに対する自らが抱くプレッシャー】があった。以上,不妊治療中の就労女性は,職場において,不妊治療に対する理解が得られにくく,職場に対する複雑な思いを抱えているため,それを支える周囲の理解とサポートが重要であることが示唆された。