褥婦不安心理の初産婦と経産婦の比較検討 : 産褥2週間目と産褥1ヵ月目の差異
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概要
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本研究では,初産婦と経産婦の不安に着目し,産褥2週間目と産褥1ヵ月目ではどういった不安が生じ,またどう不安が変化するのか明らかにするため,「褥婦不安心理票」を作成し調査を行った。対象者褥婦は,予備調査59人,本調査112人であった。因子分析の結果,褥婦不安心理は「母親役割不安因子」「精神的不安因子」「身体的不安因子」の3因子構造の解釈が妥当であるということが示唆された。その結果,経産婦の場合,「産褥2週間目」は「産褥1ヵ月目」に比べ不安が有意に高かった(p<0.01)。このほか,初産婦と経産婦を比較検討したところ,産褥1ヵ月目では,「初産婦」は「経産婦」に比べて有意に不安が高かった(p<0.05)。また,因子別にみた場合,「母親役割因子」が,初産婦「産褥1ヵ月目」も経産婦「産褥1ヵ月目」と比べて有意に高かった(p<0.01)。しかし,初産婦の母親役割不安は,産褥1ヵ月目に増加するという矛盾が生じた。以上から,初産婦の褥婦不安心理は経産婦に比べて高く,その不安は時間の経過とともに軽減する傾向にあった。しかし,初産婦は産褥1ヵ月では母親役割に慣れることができず不安が高いということが推察できた。
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