卵黄及び乳脂肪クリームで調製したカスタードプディングの脂質分布とレオロジー特性
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概要
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外観や食感が異なる上部と下部を有するいわゆる"なめらかプディング"を試料として,卵黄がその構造形成にどのように関与しているのかを考察することを目的として研究を行った。牛乳100g,生クリーム100g,砂糖20g,卵黄40gで調製したプディングでは,上部の脂肪量が下部よりも有意に多かったが,上部と下部の脂肪酸組成に差は認められなかった。コレステロール量は上部で,リン脂質リン量は下部でわずかに多かった。また,上部の平均粒子径は下部よりも大きく,上部のヒステレシスエリアおよび見かけの粘度は下部よりも有意に高かった。このプディングで認められた上部と下部の脂質量,平均粒子径,静的粘弾性の差は,加熱時間の短いプディング,卵黄配合量の少ないプディング,卵白を配合したプディング,乳脂肪クリーム配合量が多いプディングで認められなかった。また,動的粘弾性測定では,なめらかプディングの構造安定性には卵白よりも卵黄が寄与していること,乳脂肪クリーム量が多くなることでより安定となること,プディングの加熱過程で安定性が増すことが示された。また,プディングの上部,下部ともに測定した周波数領域において,G'がG"より高く,G', G"ともに周波数に依存して増加する,弱いゲル型のレオロジー特性を示し,下部のゲル的性質が強かった。
- 2012-04-05
著者
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杉山 寿美
県立広島大学
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水尾 和雅
県立広島大学
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野村 知未
京都府立大学大学院
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保井 りさ
県立広島大学
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杉山 寿美
県立広島大学大学院
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野付 知未
京都府立大学大学院
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今岡 麻奈美
県立広島大学
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田中 すみれ
県立広島大学
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