ポンプ・プローブ法を用いたポリマー光ファイバ中の誘導ブリルアン散乱の観測

概要

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光ファイバ中のブリルアン散乱は、歪/温度分布センサをはじめとする様々なシステムに応用されている。また、ポリマー光ファイバ(POF)中のブリルアン散乱は、これらのシステムに高い柔軟性や安価な敷設コストなどの利点を付与できると期待されている。これまでに我々はPOF中の自然ブリルアン散乱(SpBS)の観測に成功し、ブリルアン周波数シフト(BFS)を2.83GHz、誘導閾値を24W、利得係数を3.09×10^<-11>m/Wと見積もった。また、POF中のSpBSは、歪無依存高精度温度センサへの応用可能性を秘めていることを示した。しかし、POFがコア径の比較的大きいマルチモードファイバであるため、SpBSによる後方散乱光のパワーは非常に弱く、(1)5mのPOFを用いて、(2)偏波状態を最適化し、(3)数十回平均して、(4)S/Nの悪いブリルアン利得スペクトル(BGS)が観測できる、という状態であり、センサへの実用化は困難であった。そこで本発表では、ポンプ・プローブ法による誘導ブリルアン散乱(SBS)を用いて、(1)1mのPOFで、(2)偏波状態をスクランブリングした状態で、(3)平均なしで、(4)S/Nの大幅に向上したBGSを観測することに成功し、センサ実用化への進展を見たので報告する。
2011-05-19