乗用車の車体形状における類似性の判定に関わる形態認知の分析 : 類似性の判定構造に関する基礎的研究(2)

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概要

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本論は,乗用車の車体形状における類似性の判定において,人々が特にどの構成要素に着目しているか,またその重視の程度を求めることにより,人間の行う形態認知の方略を探ろうとするものである。さらに,その重視の程度から「作り手」と「使い手」の判定の差異についても検討を加えた。調査の精度をあげるため,直交配列表をもとにサンプルを作成し,要素の変化に対する効用値を求めた。その結果,フロント周辺に効果の大きい要素が集中した。さらに,車種によって付帯的形態要素の存在の有無も高い効果を表わすことがわかった。長時間視認の要素毎の効用値の比較から,開発担当者は乗用車に対する専門的知識をもとに要素の変化が発生する要因や対象の素性を起源にさかのぼることで,消費者が違うとした要素の変化でも,実は同一の起源から生じた同じものであると判定することが明らかになった。最後に効用値を用いて,デザイン上の差別感に定量的な指標を与える方法についての提案をおこなった。
日本デザイン学会の論文
1993-01-10

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