似顔絵による顔認知 : デザインにおける形態認知に関する基礎的研究

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概要

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人間は,個々の機能を具現化する構成要素もその配置パターンもほとんど同一である人間の顔から各個人の固有の特性を的確に抽出することが可能である。本研究は,個々の特性を平均的表象(ニュートラル)からの距離ととらえ,これを誇張して似顔絵を作成するBrennamの方法に着目した。「ニュートラル」の特質を明らかにするため,実際にこの方法で日本人とアメリカ人のニュートラルから誇張の程度(誇張率)を変化させた似顔絵を作成し,これを用いて「本人らしさ」による判定調査を行った。この結果,対象に応じて様々な「ニュートラル」が成り立ち,その生成は累積的な経験と関連を示した。そして,約0.5の誇張率の時,最も本人らしくみえることが明らかになった。誇張率は胸像や肖像画などにもみることができることからその表現の抽象度と関連していると考えられる。また,人間の描く似画絵との比較から,対象に対する概念情報により認知が促進する可能性を示した。
日本デザイン学会の論文
1992-11-10

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