マイクロサテライトDNA多型情報にもとづく日本鶏,特に地鶏,小国およびその近縁品種の遺伝的多様性と集団構造

概要

論文の詳細を見る
地鶏や小国およびその近縁品種において,品種内に生じた遺伝的差異に関する研究は少ない。本研究はマイクロサテライトDNA多型情報を用いて地鶏,小国およびその近縁品種の遺伝的多様性および集団構造につき分析を行なった。供試鶏として7品種(会津地鶏,岐阜地鶏,土佐地鶏,小国,尾長鶏,東天紅,唐丸)136羽を用い,マイクロサテライト28座位の分析を行なった。その結果,小国系品種(小国,尾長鶏,東天紅)は地鶏や唐丸と比べて高い遺伝的多様性を示した。また,同じ長鳴鶏でも東天紅の遺伝的多様性は高く,唐丸は低い多様性を示した。地鶏は会津地鶏を除き,小国系品種よりも低い多様性を示した。一方,小国系品種はヘテロ接合体率の観察値と期待値の差が大きく,有意な正のF_IS値が得られた。これは,各品種の採取地間で近親交配による遺伝的差異が生じているためと考えられた。各品種間のペアワイズF_STは有意な値を示した。D_AおよびD_AS系統樹において,小国,尾長鶏,東天紅の3品種は1つのクラスターを形成した。一方,地鶏3品種および唐丸は両系統樹で各品種が明確に分かれる結果となった。Structure解析もD_AS系統樹の樹形を支持するものであり,小国,尾長鶏,東天紅は採取地間で遺伝的差異が生じていることが明らかとなった。
2011-03-15

マイクロサテライトDNA多型情報にもとづく日本鶏,特に地鶏,小国およびその近縁品種の遺伝的多様性と集団構造

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク