マルチモーダルな情報提示とバイオフィードバックへの応用可能性(企画セッション,2.「バイオフィードバックの新しい展開-工学技術の応用」)

概要

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複数の感覚を組み合わせて情報提示をおこなうことは,直感的かつ正確に情報を伝えるために重要な役割を果たす.バーチャルリアリティ(VR)分野では,視聴覚だけでなく,触力覚や嗅覚などに情報を提示するような研究がおこなわれおり,マルチモーダルな情報提示が可能となってきた.マルチモーダルな情報提示は,たとえば,高齢者における情報のアクセシビリティ向上に有効な手段の一つである.高齢者は年をとるにつれて,感覚機能の低下が顕著になるため,情報を複数の感覚に訴えることが有効である.また,情報を様々な感覚に強く訴えることのできるVR技術は,エンタテイメントの要素としての色合いが強く,遊びへの適用が容易である.このような特性を活かし,著者らの研究グループでは高齢者の心の体のリハビリに本技術を適用する試みを続けている.遊びながら,身体機能を維持し,認知症やうつ病などの防止に役立てるというものである.本論文では,国内外におけるVRを用いたリハビリやセラピーなどの実例を分類し,紹介する.また,著者らの取り組みを簡単に紹介した上で,工学的な観点から応用可能性について探る.
2009-10-25