チャバネゴキブリの生息密度と喫食性がベイト剤の致死効果に及ぼす影響

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チャバネゴキブリの生息密度と喫食性が,ベイト剤の致死効果に及ぼす影響を,フィプロニル製剤を用いて,室内試験により評価した.まず,フィプロニルのチャバネゴキブリ2系統(渡田および大桟橋)に対する,経口投与による殺虫活性を調査した結果,渡田および大桟橋のLD_<50>はそれぞれ,3.96および6.99ng/♀で,1.8倍の抵抗性比(大桟橋/渡田)が認められた。面積2m^2の容器内のゴキブリ密度や,フィプロニル0.05%含有ベイト剤の処理量を変えて,致死効果を比較した結果,処理11日後までに90%以上の死亡率が得られたのは,供試虫約100匹に対して,ベイト剤30mgを6または12ヵ所に配置した場合(平均ベイト量で1.68または3.55mg/個体)のみであった.死亡率は処理ベイト量に依存して増加する傾向が見られたが,供試虫に対する処理ベイト量が0.73mg/個体以下では,11日後までの死亡率は80%以下となった.一方,渡田と大桟橋に,フィプロニル含有量や餌基材組成の異なる2種類のフィプロニル製剤(0.05%および0.03%)を用いて,系統間,製剤間で致死効果を比較した.その結果,0.05%製剤は両系統に対して,2日後までに99%以上の死亡率を示した.一方,0.03%製剤は渡田に対しては高い致死効果を発揮したが,大桟橋に対する致死効果は低かった.このため,各製剤に対する喫食性を比較した結果,大桟橋は0.03%製剤に対して,配置6時間後までの喫食量が,0.05%製剤の半分以下であった.大桟橋の0.03%製剤に対するこの喫食回避行動が,致死効果を低くした一つの要因であると考えられた.
日本ペストロジー学会の論文
2003-05-30

チャバネゴキブリの生息密度と喫食性がベイト剤の致死効果に及ぼす影響

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