幼児の線画カテゴリー判断における言語音声による干渉 : 線画-音声干渉課題を用いた検討

概要

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本研究では、幼児(5、6歳児)の線画のカテゴリー判断の処理過程について、ストループ様線画一音声干渉課題を用いて検討した。課題では、参加児は、ディストラクタの線画を無視しながら、できるだけはやくターゲット線画のカテゴリー(動物または果物)を判断するように求められた。干渉における意味的関連を明らかにするために、ターゲットとディストラクタの組み合わせにより、一致(SS)、不一致同カテゴリー(SC)、不一致異カテゴリー(DC)、中立(N)、統制(C)条件という呈示条件が用いられた。処理における時間的過程を検討するために、ターゲットとディストラクタとの呈示開始の時間差(SOA)が設定された。結果においては、幼児においてはストループ効果と同様の効果が生じたが、比較対象とした成人においては干渉は生じなかった。意味関連効果について、線画命名課題(田爪、1997)とは異なり、DC条件の反応潜時がSC条件のそれよりも長い、逆の意味関連効果がみられた。これらの結果について、意味記憶と関連した情報処理の観点から考察した。