高齢者口腔保健行動に関する認知的変数測定のための質問票作成
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概要
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高齢者の口腔保健行動を推進する効果的な介入プログラムを開発するためには、高齢者個人の考え方や物事の受け止め方(以下、認知的変数と呼ぶ)が、保健行動にどのように関連するのかを明らかにすることが重要である。そこで、本研究では、高齢者の口腔保健行動に関する認知的変数を測定する質問票を開発したので報告する。<方法>A高齢者大学で行われた口腔健康調査へ参加した60歳以上の高齢者93名を対象とし、口腔の健康のために行っていることや気をつけていることについて面接を行い、口腔保健行動の理由を分析した。その結果に基づき、自記式質問票を作成し、専門家らによって検討が行われた。作成された質問票を用い、口腔健康調査へ参加した60歳以上の高齢者215名を対象とし、質問票の試行と構成因子についての調査を実施した。<結果と考察>保健行動を起こす理由としては、「信念や規範」「辛い体験の回避」「直面している問題への対処」「効果の実感」「周囲の助言」「習慣」、行動をとらない理由としては、「口腔健康への関心の低さ」「信念や規範」「継続の困難さ」が抽出された。次にこれらの結果をふまえ、「口腔健康への関心」「信念や規範」「辛い体験への脅威」「直面している問題の存在」「効果の実感」「周囲の助言」のカテゴリーをもとに質問項目を作成した。因子分析の結果、【ポジティブな信念や規範】、【口腔の問題-周囲の助言】、【口腔健康へのあきらめ】、【効果の実感】、【口の健康に対する自信】の5因子が抽出された。以上の結果、認知的変数として考えられる5因子22項目からなる認知行動的変数の測定質問票が構成された。本研究で得られた項目は高齢者の面接調査から収集され、その後、専門家による項目検討が行われていることから、内容的妥当性を有しているといえる。また、因子分析の結果、高齢者口腔保健行動にみられる認知的諸因子が得られたことから、本質問は適切な因子的妥当性を有していると考えられた。今後、これらの因子と実際の保健行動との関連や口腔の健康問題との関連を検討していくことで、さらに質問票を洗練させていくことが可能であると考える。
- 兵庫県立大学の論文
著者
-
坂下 玲子
兵庫県立大学看護学部
-
金 外淑
兵庫県立大学看護学部心理学系
-
西平 倫子
兵庫県立大学
-
坂下 玲子
兵庫県立大学 看護学部
-
大塚 久美子
兵庫県立大学看護学部看護基礎溝座基礎看護学
-
坂下 玲子
兵庫県立大学 看護学部 在宅看護学
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金 外淑
兵庫県立大学看護学部
-
金 外淑
兵庫県立大学
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