高齢者の口腔ケア支援に関する相談技術の抽出 : 歯科衛生士が用いている相談技術
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概要
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地域に根ざした新しい看護提供システムとして「まちの保健室」事業が各地で展開されている。本研究は、この事業の後方支援のために、高齢者の口腔ケア支援に関する相談技術の抽出を行うことを目的として、口腔健康相談を受ける頻度が高いと考えられる歯科衛生上を対象にフォーカスグループインタビューを行い高齢者の口腔ケア支援に関する相談技術の抽出を行った。<対象と方法>対象は、研究への同意が得られた歯科衛生上で、カテゴリーが飽和するまで対象者の募集を行った。3〜5人を1グループとしてフォーカスグループインタビューを実施し、1)よく受ける相談について、2)うまくいった相談場面、3)相談のとき気をつけている点、工夫している点についてたずねた。得られたデータを質的記述的に分析することによって相談技術を抽出した。<結果と考察>7グループと1人、計27人の歯科衛生上のインタビューを行った。参加者の年齢は平均36.8±9.5歳(25〜60歳)、全員が女性であった。勤務年数は平均15.4±8.4年(5〜36年)、経験したことのある職場は、保健所など多岐に渡っていた。参加者が表現した内容を注意深く読みとり255単位データが抽出された。抽出された技術としては、1)導入部分として、クライエントを「招き入れる」「信頼関係を築く」「機が熟すのを待つ」が抽出された。2)相談部分として、「真の問題を見つける」「問題点を理解してもらう」「できることをいっしょに探す」「行動を引き起こす」「行動の継続を促す」が抽出された。3)今後へ繋ぐ部分として、「次回の予約をする」、「次回までの具体的な目標を決める」が抽出された。インタビューの中では義歯の管理、口腔乾燥などの口腔健康への対応について語られた部分も多かったが、それは別の機会に報告することとし、今回は相談の具体的な技術に焦点をあて抽出した。歯科衛生士が用いている相談技術がそのまま看護職が応用できるとは限らないが、抽出された項目をみると、看護ケアの技術と重なる点がみられ、看護職も参考にでき応用していけるものと考えられた。
- 兵庫県立大学の論文
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