看護形態機能学における教育方法の検討 : 模擬授業にみる受講生の反応から
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概要
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看護教育における形態機能学は看護活動の基盤をなす科目の一つであるが、実際の臨床の場面での看護ケアの展開につながっていかないことが指摘されている。そこで、看護学的視点から形態機能学教育を再構築することを最終の目的とし、第一段階として、臨床および大学の多様性のあるメンバーからなる討議会を重ね報告し、また臨地実習の経験のある学生を対象にフォーカスグループインタビューを行った。これらの研究より、1)事例を入り口として帰納的に学ぶ、2)形態機能学と看護を連結する、3)知識習得と実践を繰り返して学ぶ、4)疾患がある場合の形態機能に重点を置く、5)臨床の場を想定する。6)視覚を重視したわかりやすい講義という方向性が示された。これらの結果をふまえ、今回は模擬授業を計画し、受講生の反応より、看護学的視点による形態機能学教育について検討を行った。模擬授業は、応募してきた高校2年生女子(16〜17歳)7名を対象に、「心筋梗塞」の症例を中心に前半60分程度の講義と後半60分程度の演習からなる看護学と形態機能学の連結授業を3回実施した。解析は、毎回の1.学生の授業中の反応、2.授業後のグループインタビュー、3.授業理解度調査と、4.受講前と受講後の習得内容の質問紙調査について行った。疾患の事例を用い、まず具体的な場面で看護の役割を伝えたことにより、看護学への理解が深まると同時に、形態機能学の知識が看護ケアにつながるルートが頭の中に形成されつつあると考えられた。また、ロールプレーイングの教育手法の導入によって、患者の理解を進めさせることができたと考えられた。一方で、学習の準備性として、看護学の理解不足、基礎学力の不足、生活体験の浅さなどの問題が提起され、受講生に十分深い知識を習得させることが難しかった。今後はこれらの結果をふまえ、学習の到達度の設定を明確にし、洗練されたプログラムを構築する必要があると考える。
- 兵庫県立大学の論文
- 2005-03-15
著者
-
加治 秀介
兵庫県立大学 生体機能学
-
坂下 玲子
東京大学医学部附属病院分院歯科口腔外科
-
坂下 玲子
兵庫県立大学看護学部
-
加治 秀介
兵庫県立看護大学 栄養代謝学
-
内布 敦子
兵庫県立大学 看護学部
-
桐村 智子
兵庫県立大学看護学部実践基礎看護領域看護生体機能学講座
-
坂下 玲子
兵庫県立大学 看護学部
-
桐村 智子
兵庫県立看護大学 栄養代謝学
-
内布 敦子
兵庫県立大学看護学部
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