豚肉中の呈昧および生理機能成分に及ぼす製茶くず給与の効果(第2報) : 単飼による肥育前期からの給与試験

概要

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製茶加工残渣である茶くずの給与が豚肉の生理機能性やおいしさに与える効果について検討した。市販飼料に茶くずを1%および2%添加したものを肥育豚(体重30kg〜115kg)に与えた。豚肉中の旨味成分(イノシン酸、遊離グルタミン酸)に対して茶くずの効果は認められなかった。しかし、豚肉中のα-トコフェロール含有量は、茶くずの給与によって有意に増大した。また、茶くずを給与した豚肉(赤身)は、冷蔵(4℃)保存中の過酸化脂質の上昇を抑制した。しかしながら、血漿中にカテキン類の存在は認められず、血漿中のフリーラジカルにも茶くずの効果はなかった。豚肉の破断強度についても各区間の豚肉に有意な差はなかった。官能検査については、茶くず2%の給与はコントロール区よりも有意に好まれない傾向であったが、1%の給与ではコントロール区とほとんど違いはなかった。以上のことから、茶くずを長期的に給与する場合は、茶くず添加率は1%が適当で、高機能性豚肉の生産が可能であることが明らかとなった。
西九州大学の論文
2008-03-01