コーヒー及びコーヒー殼を用いた重金属の除去
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
コーヒーを用いて,銅の除去に対して最適な条件(コーヒー1g,撹拌時間30分,撹拌温度25℃,pH6)を確立し,銅を含めた9種類の重金属について除去率を決定した.また,コーヒー殼についても同様の実験を行った結果,コーヒー殼の方がコーヒーよりも高い除去率を示し,特に鉛とカドミウムについては除去率が90%を超えることがわかった.コーヒー及びコーヒー殼の水溶液中のポリフェノールの分析から,コーヒー殼中の水溶性ポリフェノールはコーヒーに比べてかなり減少していることがわかった.また,SEMによる粒子の観察結果により,コーヒー及びコーヒー殼のいずれにも多孔質の微細構造がみられたが,コーヒー殼の方がコーヒーよりも多くの組織の断片が認められ,表面積の増大が確認された.すなわち,コーヒー殼は水溶性ポリフェノールの減少と粒子中の金属吸着活性部位の表面積の増大によって,コーヒーを用いた場合より金属の除去率が高まったことが示唆された.以上の結果から,本法は食品廃棄物を環境保全へ有効利用した優れた手法であるといえる.
- 社団法人日本家政学会の論文
- 2003-10-15
著者
-
尊田 民喜
西九州大学健康福祉学部健康栄養学科
-
安田 みどり
西九大健
-
安田 みどり
西九州大学
-
熊川 景子
西九州大学健康栄養学科
-
熊川 景子
西九州大学健康福祉学部健康栄養学科
-
長谷川 のぶみ
西九州大学健康福祉学部
関連論文
- 茶殻を用いた水中の重金属イオンの除去
- 二番茶製茶加工残さ給与が群飼条件下における肥育豚の枝肉及び肉質に与える効果
- 古代米の抗酸化性について
- 結球レタス(Head lettuce)の緑色部位および白色部位のポリフェノールオキシダーゼの性質
- 県内地域未利用資源を活用した豚肉生産技術
- 放牧牛肉(あか毛和牛)の化学成分における特徴と食味評価
- クロレラ(Chlorella vulgaris CK-5株)の抗酸化性について(西九州大学)
- 豚肉中の呈昧および生理機能成分に及ぼす製茶くず給与の効果(第2報) : 単飼による肥育前期からの給与試験
- 豚肉中の呈味および生理機能成分に及ぼす製茶くず給与の効果(第1報) : 単飼による肥育後期からの給与試験(西九州大学)
- 菱の抗酸化性について(I 健康栄養学科, 西九州大学)
- 新規高圧気密釜製法による釜炒り茶の生理および嗜好作用(西九州大学 I.健康栄養学科)
- コーヒー及びコーヒー殼を用いた重金属の除去
- 製茶加工残さ給与が肥育豚の枝肉および肉質に与える効果
- 茶の製法と形状の違いが茶浸出成分に与える影響(西九州大学)
- 二番茶製茶加工残さ給与が肥育豚の枝肉および肉質に与える効果
- 化学発光法及びDPPH-HPLC法による野菜のフリーラジカル消去活性
- 施肥の違いによる栽培サラダナのラジカル捕捉活性の相違
- (-)-エピガロカテキンガレートによるクロロフィルaの光退色抑制作用
- 抗酸化物質によるクロロフィルの光退色抑制効果(西九州大学 I.健康栄養学科)
- 放牧牛の食味を高めるための調理方法の検討
- 新品種"さがびより"の食味特性
- 佐賀県における豆腐粕,大麦焼酎粕および秋芽茶を活用した豚肉生産技術
- 個別の通院透析患者の栄養教育プログラムのためのアセスメントシート項目の検討(西九州大学)
- 栄養指導の現場から 慢性維持血液透析施設における管理栄養士活動の現場から
- 通院透析患者に対する効果的な栄養指導方法に関する一考察(I 健康栄養学科, 西九州大学)
- 佐賀県における豆腐粕, 大麦焼酎粕および秋芽茶を活用した豚肉生産技術
- ピタヤ茎部粉末水溶液の物性と多糖類の分析
- ニホンナシおよびウンシュウミカン幼果抽出液の抗酸化活性について