菱の抗酸化性について(I 健康栄養学科, 西九州大学)

概要

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本研究では菱の抗酸化性について検討を行った。その結果, 菱の実には抗酸化性はほとんど認められなかったが, 菱の皮には強い抗酸化活性が認められた。なお, ヒシよりもオニビシの皮の方が強い抗酸化性を示した。また, 菱の皮の抗酸化性に与える乾燥方法や抽出溶媒およびpHの影響を調べた。その結果, 菱の皮の抗酸化性は乾燥方法では加熱 (40℃) 乾燥法, 抽出方法では親水性の有機溶媒と水を含む溶液で抽出したものに最も高い活性が認められた。また, pHは酸性で安定した抗酸化性を示した。以上のことから, 60%メタノール水溶液 (pH2) の溶媒での抽出法が最適であることが分かった。さらに3つの抽出分画A, B, Cに分け, それらの成分分画にはそれぞれ抗酸化性が認められた。その活性の強さはA<C<Bであった。成分分画Bは, 強い抗酸化性をもち、UV吸収スペクトルの結果よりフェノール類であることが推察された。今後の研究により, この分画中の各成分の同定を行うことで, 新たな生理活性成分の発見が期待できる。
西九州大学の論文
2005-03-01